【MLB】44歳イチローのスピードに「マジかよ」 相手選手が驚き「依然として速い」

マリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

開幕2戦目は本塁打キャッチにマルチ安打、相手一塁手はそのスピードに…

 マリナーズに6年ぶりに復帰し、開幕から3試合連続スタメン出場中のイチロー外野手。5-4で勝利した1日(日本時間2日)の本拠地インディアンス戦では3打数無安打に終わったが、5-6で敗れた3月31日(同1日)の試合では、3回に3番ラミレスのホームランを“強奪”する超美技を見せ、バットでも4打数2安打1得点と存在感を見せた。この試合で代名詞とも呼べる内野安打で復帰後初ヒットを記録した44歳のスピードに、初回満塁弾を放った相手のヨンデル・アロンソ内野手は「マジかよ。彼は速いな」と脱帽している。

 インディアンスとの開幕3連戦は2勝1敗。第2戦は5-6の1点差負けだったが、イチローは衝撃的な活躍で話題をさらった。

 3点ビハインドの3回表にラミレスの大飛球をスーパーキャッチ。完全にフェンスを越えていた打球を鮮やかに強奪すると、涼しい顔で観衆のスタンディングオベーションと「イチローコール」を浴びた。

 打っても、直後の3回裏に1死走者なしでカラスコから二塁内野安打。その後、ゴードンのヒットで三塁まで進んで、セグラのタイムリーで生還した。7回にはメジャー屈指の中継ぎ左腕ミラーのスライダーを巧みにレフト前に運び、マルチ安打を記録した。

 そして、9回1死での第4打席では、守護神アレンが投じた3球目の内角へのナックルカーブを三塁線に転がしたイチロー。三ゴロとなったが、3回に本塁打を“盗まれた”ラミレスには「リベンジ」のプレーだったと、MLB公式サイトのインディアンス番を務めるジョーダン・バスティアン記者は、地元メディア「ミディアム」で伝えている。

三塁へのゴロも「すぐにラミレスは送球しなければいけなかった」

「ラミレスは9回にイチローと再び相まみえた。アレンと対峙した未来の殿堂入り選手は三塁線上にボールを叩くと、バッターボックスを飛び出した。イチローの全盛期なら、ヒットが保証された当たりだった。ラミレスはハッスルした。ボールをつかむと、素早くアロンソに投げた。捕球するとイチローをアウトにするために、グラブを振るった」

 イチローは快足を飛ばした。ラミレスの送球は本塁側に逸れたが、一塁に突進するイチローと入れ替わる格好となったアロンソは体を回転させるようにタッチ。間一髪でアウトに仕留めた。

「ランナーを意識したよ。彼の片鱗を見ることができたね。イチローの場合、走塁が素晴らしい。スローな当たりだった。すぐに彼(ラミレス)は送球しなければいけなかった。ボールが高くなったのが見えたので、確実に捕球できるようにした。そして、体をひねりながらタッチを必死にしようとしたんだよ」

 この試合、初回に満塁弾を放っていたアロンソは何とかアウトにしたと記事の中で振り返っている。

「マジかよ。彼は速いんだよ。彼は依然としてスピードがある。キャリア序盤の時の彼を実際に見たことがない。テレビでたまに見ていたけれどね。未だに素晴らしい走塁をしているんだよ」

 アロンソは44歳の快足ぶりに感心していたという。記事でも「アロンソは依然として魅せるイチローのスピードに感銘を受けていた」と報じている。メジャー最年長選手は未だに健在のあらゆる武器で、驚きを与え続けている。

(Full-Count編集部)

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