「違い恐れず自分らしく」 ノーベル賞 大隅教授が講演 大磯町・二宮町・中井町

壇上から若者にメッセージを送った

 ノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんによる講演会が、3月21日に大磯プリンスホテル国際会議場で催され、町内外から721人が来場した。

 講演会は、2017年2月に町が大隅教授へ史上7人目の大磯町名誉町民の称号を贈ったことをきっかけに企画されたもの。とくに中学生などの若者に聞いてもらいたいと、当日は「私の半世紀の研究を振り返って 〜若者へのメッセージ〜」と題し、会場前方の席を18歳以下優先にして行われた。

 講演で大隅教授は、自身の生い立ちから科学に興味をもったきっかけ、「オートファジー」を研究テーマに選んだ理由などを話し「ここまで来れたのは、たくさんの偶然や出会いに恵まれたおかげ」と振り返った。また自身の研究内容や手法について触れ「こうした地道な研究に、果敢に取り組む若者が出てくれるとうれしい」と会場の中学生らに語りかけた。最後に「人と違うことを恐れずに自分らしく生きよう」「自分の可能性を大切に」などのメッセージを送り、講演を締めくくった。

 講演後の質疑応答で参加者から「研究をあきらめかけたことはあるか」と質問されると、「自分は飽きもせず30年続けて来たことが財産になっている。うまくいかない時期は必ずあるが人生は長い。一度や二度の失敗であきらめず、またそれを受け入れる社会になってほしい」と答えた。

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