トラックも運転できます。DTM王者ウィットマンが大型免許を取得

 BMW M4 DTMで二度のDTMドイツツーリングカー選手権のチャンピオンを獲得したレーシングドライバー、マルコ・ウィットマン。そんな彼がシーズン開幕直前の3月26日に、早朝からドイツで大型自動車運転免許の筆記試験を受験し、満点で合格した喜びを自身のFacebookで語っている。ただ、なぜトップクラスのプロのレーシングドライバーが、大型免許が必要なのだろうか?

 ウィットマンは、DTMやニュルブルクリンク24時間レース等に参戦する際、じつは自前で大型のモーターホームを用意して利用している。昨年まではウィットマンの実父が運転してサーキットまで運び入れていたが、今後は父に負担をかけずにモーターホームでサーキット入りしたり、個人旅行にもモーターホームを利用したりと、フレキシブルに移動したい……という希望もあり、大型免許取得に挑戦したという。

 また、ウィットマンの実家はクラシックカーから近年のクルマまで幅広く対応する板金・塗装業を営んでいる。そのため、マルコ自身は「大型免許があれば、シーズンオフの手の空いたときに、家業を手伝うことができるからね」という利点もあげている。

 ちなみにレーシングドライバーが大型免許を取得するケースは他にもあり、F1ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグは実家が運送業であるため、大型免許を取得済み。F1へステップアップする前には、車庫入れや洗車等で家業を手伝っていたこともあるとか。

 また、今季F1からDTMへ復帰するメルセデスのパスカル・ウェーレインもマノーに所属していた2016年に大型免許を取得。そして、元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンは、若かりしころにレーシングカーを輸送するために大型免許を取得し、自ら車両を載せてサーキットへ来ていたという。当時のフィンランドは大型免許を取得すると、もれなく普通自動車免許も取れたのだとか。

 世界的なプロのトップドライバーたちが、トラックを運転する様子はなかなか意外なものかもしれない。また、地続きのヨーロッパらしいエピソードだろう。

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