〔霧島山(新燃岳)〕11日ぶり爆発的噴火 噴煙は火口縁上8000mまで上昇し広い範囲で降灰 3月以降最大規模に(4/5)

活発な火山活動が続いている宮崎・鹿児島県境の霧島山(新燃岳)では、5日03:31頃に爆発的噴火が発生し、多量の噴煙が火口縁上5000mまで上昇するとともに、ごく小規模な火砕流が火口中心から南東側へ約800m(火口縁から約400m)まで流下、また弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口中心から1100mにまで達するなど、3月以降の噴火活動で最大規模となりました。新燃岳での爆発的噴火は3月25日08:45頃から11日ぶり、2018年48回目となります。この一連の噴火は07:15頃に停止した模様です。
なお、気象衛星データの解析により、この噴火での噴煙高度は火口縁上8000mまで上がったと推定されています。この噴火に伴う降灰は、新燃岳の北側(熊本県人吉市)、北東側(宮崎県門川町)、東側(宮崎県宮崎市)の広範囲で確認されました。

2日18:00頃から山体がわずかに隆起する傾斜変動がみられていた高千穂河原の傾斜計では、今回の噴火に伴い山体が沈降する傾斜変動がみられた後、顕著な傾斜変動は認められていません。

福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、3月15日に発表した噴火警戒レベル3(入山規制)を継続し、新燃岳では今後も同程度の噴火が発生する可能性があるとして、火口から概ね3kmまでの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石に、火口から概ね2kmまでの範囲では火砕流に警戒するとともに、火山灰や空振などに注意するよう呼びかけています。

■観測データ
【火山性地震、火山性微動、爆発的噴火等の発生回数】(速報値含む)
          火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
4月 2日         10回     0回     0回
   3日        490回     0回     0回
   4日        358回     0回     0回
   5日(00時~06時)  227回     4回     1回
     (06時~12時)   17回     0回     0回
    (12時~18時)   6回     0回     0回

■交通機関への影響
・鉄道:JR吉都線は、降灰の影響で高原駅の信号機が切り替わらなくなり、06:20前から09:00前まで一時全線で運転見合わせた。
・航空:宮崎空港発着便は、降灰の影響で東京(羽田)、大阪(伊丹)、福岡などとの一部の便に欠航や遅れ。

■参考:最近の噴煙高度が高かった噴火
・2015年5月29日09:59 口永良部島(噴煙が火口縁上9000m以上に上昇)
・2016年10月8日01:46 阿蘇山(噴煙が海抜高度1万1000mに上昇、岡山県・香川県まで降灰を観測)

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