淵野辺駅南口再編 計画案策定を延期 パブコメ集計し再説明へ 相模原市中央区

 市立図書館、大野北公民館などの淵野辺駅南口周辺の公共施設を集約・複合化して鹿沼公園内に移設する計画案の策定について、相模原市は3月をめどとした策定時期を延期したことを明らかにした。現在はパブリックコメント(以下パブコメ)の集計を進めている状況で、市が示した計画案の内容に対する市民の理解をさらに深める必要があることから、パブコメの取りまとめが終わった段階で改めて市民説明会を開く考えだ。

 計画案をめぐっては、市議会3月定例会議の本会議で市議の質問に対し加山俊夫市長が日程を決定した上での策定は行わないとの考えを明言。策定時期やそれに伴う供用開始の時期に関して柔軟な姿勢を示していたことから事業の進行状況が注目されていた。

 計画案へのパブリックコメントは当初締切としていた1月16日から31日までに延長し、市内外合わせ約350人から意見が寄せられた。担当する市都市計画課によると、主なものとしては、淵野辺駅周辺の6つの公共施設を複合化し公園内に移転させることへの疑問または市の説明不足を指摘する声、移転後の跡地利用として相模大野駅などにあるようなショッピングモールが建設されることを懸念する声、複合化による各公共施設の機能低下を不安視する声が多かった。(市がリニューアル案を示している)児童交通公園の撤去に反対するといった声も根強かったという。パブコメ全般を受け、市は「計画がうまく伝わらなかったことは申し訳ない」と反省を口にした。

 今後、市は寄せられたパブコメに対する市の見解を加えて取りまとめる集計作業を引き続き進めるほか、必要に応じて計画案の修正を実施。集計については、関係各課で横断的に確認し合い、合意を得た上でホームページに掲載する。同時に、パブコメへの市の見解について改めて市民に説明する場を設ける構え。同課の渡邉建太郎課長は取材に対し期日の明言は避けたものの、「準備ができればすぐに説明したい」と話す。

 策定延期により、供用開始時期もずれ込むが、市は基本計画策定後の事業手法や機能の検討の議論に十分な時間を割きたいことから、市民の合意形成を慎重に進めていく方針だ。

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