【MLB】批判跳ねのけた大谷翔平 V弾の同僚も感嘆「特別な才能に疑いの余地はない」

インディアンス戦で2戦連発となる同点2ランを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

サヨナラ弾のコザート、同点弾の大谷を称賛「感銘的な才能だ」

 エンゼルスの大谷翔平が4日(日本時間5日)の本拠地インディアンス戦で2戦連発となる同点2ランを放った。5打数2安打2打点の活躍でチームの3-2の勝利に貢献した23歳の二刀流について、この日延長13回に自身初のサヨナラ本塁打を放ったザック・コザート内野手は「我々の持ち得ない特別な才能」と称賛している。

 昨オフにレッズからFAとなり、3年総額3800ドル(約41億円)でエンゼルスにやってきた男が大仕事をやってのけた。観客の大半がすでにスタンドを後にした延長13回1死走者なしの場面。コザートはフルカウントから真ん中高めのファストボールを強振すると、キャリア初のサヨナラ弾がレフトスタンドに突き刺さった。

 あまりに劇的な瞬間。ホームベースに戻ってきた殊勲者を待ち受けていたのはチームメートの手荒い祝福だった。コザートはもみくちゃにされながら、12試合連敗中だった強豪インディアンス相手に2連勝をもぎ取った喜びを爆発させた。

「自分の気持ちはとにかくトラウトの前で出塁することだった。(カウント)3-2になって、少し落ち着くことができたのかもしれないね。ファストボールを狙った。高めのボールだった。まだ早いけれど、どのシリーズも勝利できている。この3連戦を制したことは大きい。この調子でいきたいよね」

 アスレチックスとの開幕シリーズに続き、インディアンス相手にも勝ち越しに成功。5勝2敗とし、6勝1敗でア・リーグ西地区首位に立つ昨季ワールドシリーズ王者アストロズを猛追している。

 メジャー8年目にして初のサヨナラ弾を放ったコザートを本塁上で待ち受けた喜びの輪の中には5回にサイ・ヤング勝右腕コーリー・クルーバーから同点2ランを放った大谷の姿もあった。

プレッシャーの中で結果、「オオタニは間違いない」

「我々の攻撃は好調だ。オオタニは間違いないね。自分はただただ元気が出るよ。彼はスプリングトレーニングでは批判されていた。それが今や大活躍している。彼が背負うすべてのプレッシャーを考えると、本当に感銘的だよ。彼はプレッシャーを投げ出すことなく、野球に集中している。感銘的な才能だよ。素晴らしい打席を見せている」

 スプリングトレーニングで大谷は防御率27.00、打率.125という成績で、地元メディアから批判を集めた。コザートはファンとメディアからのプレッシャーを跳ねのける強力な精神力を高く評価した。

 23歳という若さ、そして、アメリカという新天地での生活に加え、メジャーの不慣れな環境……。開幕後にスムーズな適応能力を見せる大谷に、32歳のベテランも脱帽している。

「すべての要素を合算するとすごいんだ。スプリングトレーニングを終えて、まだ先発1試合、打者として2試合先発。すごいよ。日々必死に努力している。彼らは自分たちが持ち得ない特別な才能の持ち主だ。疑いの余地はない」

 昨季打撃が開花し、オールスターに初選出された苦労人も太鼓判を押す、大谷の稀有な才能。ベーブ・ルース以来、メジャー100年ぶりの二刀流はカルフォルニアの大地で早くも大輪の花を咲かせようとしている。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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