埼玉の大型物流施設、新日鉄住金エンジが受注・着工 鉄骨9000トン、ハイパービームも採用

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は5日、埼玉県北葛飾郡でオリックスから受注した大型物流施設「松伏ロジスティクスセンター」の建設工事に着工したと発表した。鉄骨造4階建てで鉄骨重量は約9千トン、新日鉄住金の外法一定H形鋼「ハイパービーム」も2600トン使用している。竣工は2019年春の予定。

 本施設は延べ床面積7万7千平方メートルの大型物流施設。これまで培った構造設計ノウハウを生かし、地震エネルギー吸収能力の高い独自の耐震部材「アンボンドブレース」約230本を最適配置することで耐震性を高めているほか、グリッド設計による最適スパンとすることで鋼重を従来工法よりも削減している。オリックスからの受注実績は、本件を含め5件(約26万平方メートル)。

 大型物流施設をめぐっては、EC市場のさらなる拡大や既存建物の老朽化に伴う建て替え需要、企業再編に伴う集約や移転などを背景に引き続き堅調な需要が見込まれている。同社は大型物流施設を得意領域の一つとしており、受注実績は直近10年で220万平方メートルに及ぶ。今後もこうした知見を生かして需要を捕捉していく方針。

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