八代亜紀が名門ジャズ・クラブにて、10年に一度!?のスペシャル・ライヴを開催

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昨秋ジャズ・アルバム第2弾『夜のつづき』を発売し話題を集める“演歌の女王”八代亜紀が、4月5日(木)・6日(金)の2日間、南青山のジャズ・クラブ、ブルーノート東京でスペシャル・ライヴを開催した。

Photo by Yuka Yamaji

今回、1日目(5日)は「スペシャル・アコースティック・ナイト "クラブ・シンガー 八代亜紀"」、そして2日目(6日)は2018年4月6日(846の日)にちなみ「プレミアム・846・ナイト "八代亜紀の世界」と題した日替わりプログラムでの公演となった。ここでは2日目の公演をレポートする。

18:30と21:00の2ステージとも、会場には満員の観客が詰めかけた。定刻となり、バック・バンドがステージに上がって軽くサウンドチェックを終えたところで、どこからともなく八代の歌声が聴こえてくる。最新ジャズ・アルバム『夜のつづき』の冒頭に収められたスタンダード・ナンバー「帰ってくれたら嬉しいわ」だ。1コーラスをアカペラでしっとり歌い終えると、客席後方からゴージャスなピンクのドレスを身にまとった八代が登場。場内は一気に盛り上がりを見せた。

Photo by Yuka Yamaji

この日の「プレミアム・846・ナイト "八代亜紀の世界」jは、タイトル通り、演歌・歌謡曲、ジャズ~ブルース~ロックなど、ジャンルを超えて活躍する八代の世界を70分間に凝縮して披露するというもの。ステージでは、「カモナ・マイ・ハウス」や、デビュー前の銀座のクラブ・シンガー時代の十八番だったという「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」と、ジャズ・ナンバーを続けて披露したのち、本人のヒット曲コーナーへ。120万枚のヒットとなった出世作「なみだ恋」を皮切りに、「おんな港町」「もう一度逢いたい」と代表曲をメドレー形式で歌い喝采を浴びた。

MCでは、12歳のときに父親がプレゼントされたジャズ歌手ジュリー・ロンドンのレコードをきっかけに歌手を志すようになったこと、15歳のときに家計を助けるため地元のキャバレーで歌いそれが父にばれて勘当され東京に出てきたこと、銀座のキャバレーで歌い始めてホステスの女性たちの姿を見て、歌手として大切な“おんな心”を知ったことなどが語られ、観客は八代の若き日の歩みを踏まえて演奏を堪能していた。

Photo by Yuka Yamaji

バンドのインスト・ナンバーを挟んだのち、ステージは第二部へ。黒のシックなドレスに着替えた八代は、ボサ・ノヴァ調にアレンジされた代表曲「雨の慕情」をしっとりと歌唱。続いてはブルースのコーナー。メンフィスを訪問した際に地元のライヴハウスで歌ったという「朝日のあたる家」、そして2015年発表のブルース・アルバム「哀歌 -aiuta-」でTHE BAWDIESより提供された「Give You What You Want」を披露した。それにしても、素晴らしい歌声のみならず、ジャズの4ビートやボサ・ノヴァ、そして8ビートのブルースにも柔軟にフィットする八代のリズム感の素晴らしさは特筆すべきものだった。

そしてステージはクライマックスへ。マーティ・フリードマンから提供されたロック・バラード・ナンバー「MU-JO」をダイナミックに歌唱したのち八代が披露したのは、なんと岡林信康の「山谷ブルース」のカヴァー。日雇労働者の悲哀を描いた歌詞を、八代は噛みしめるに歌う。あえて少し笑顔を浮かべながら歌うその姿は、単なる切なさだけではなく、歌詞の根底にある主人公のどん底にいても決してあきらめない力強さを見事に表現しており、客席には静かに涙を拭う姿も見受けられた。

「ずっと歌い続けたい大切な曲」と語る「愛を信じたい」で本編は終了したが、観客の歓声を受けて、そのままアンコールへ突入。かつて阿久悠が八代に提供したジャジーなナンバー「ステーションホテル24時」に続いて、最後は代表曲の「舟唄」。これぞ八代亜紀!という鉄板のナンバーで観客を圧倒しライヴを締めくくった。

「歌にジャンルなんてない」と常々発言している八代だが、今回のステージはそれを余すところなく表現した圧巻のステージだった。八代曰く、次回の開催は10年後の2028年4月6日とのことだが、そんなことは言わず、是非レギュラー開催を期待したい。

Photo by Yuka Yamaji

■セットリスト
プレミアム・846・ナイト "八代亜紀の世界
2018年4月6日(金) ブルーノート東京
(1st Set 18:30開場 / 2nd Set 21:00開演)

1. 帰ってくれたら嬉しいわ
2. カモナ・マイ・ハウス
3. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
4. なみだ恋
5. おんな港町
6. もう一度逢いたい
7. 雨の慕情
8. 朝日のあたる家
9. Give You What You Want
10. MU-JO
11. 山谷ブルース
12. 愛を信じたい
Encore
13. ステーションホテル24時
14. 舟唄

<ミュージシャン>
八代亜紀(vo) 堀口宣行(g) 須藤信一郎(p, key) 佐藤貴教(b) 小林拡史(ds) 渡辺徹(sax, fl) 牧原正洋(tp)

■リリース情報 
八代亜紀
ジャズ・アルバム『夜のつづき』 

CD: 2017年10月11日発売
SHM-CD:UCCJ-2146 ¥3,240(tax in)
CD購入はこちら

アナログ: 2017年11月1日発売
12インチLP:UCJJ-9010 ¥3,888(tax in)
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CD収録曲
1. 帰ってくれたら嬉しいわ
2. フィーヴァー
3. 黒い花びら
4. 涙の太陽
5. 旅立てジャック
6. ワーク・ソング
7. カモナ・マイ・ハウス
8. にくい貴方
9. 恋の特効薬
10. 夜のつづき ※インストゥルメンタル
11. 赤と青のブルース
12. 男と女のお話
13. 夜が明けたら

八代亜紀「帰ってくれたら嬉しいわ」fromアルバム『夜のつづき』

Photo by Yuka Yamaji