「ふじさわ宿商店会」が発足 市内40番目 街づくりも視野 藤沢市

商店会の設立メンバーら(後ろの書は真円上人が揮毫)

 地域経済の衰退が叫ばれ、解散する商店会組織もある中、市内で40番目、6年振りとなる新商店会が誕生した。新商店会は既存の活動にとらわれない宿場町としての街づくりにも力を入れていくという。

 かつて東海道の宿場町として栄えた藤沢。その中心地ともいえるのが、国道467号線沿いや遊行寺周辺地域だ。新商店会「ふじさわ宿商店会」はまさに藤沢駅北口の467号線遊行ロータリー付近から市民病院入口までをその範囲としてスタートした。この地域では既存の商店会が解散したりして一種の空白地帯のようになっていたという。

18事業所でスタート

 結成に向けた準備は約1年前から本格的に始まった。商店会のある467号線沿いには創業100年以上の老舗が多くあり、その中の田島株式会社(酒類問屋)の田島義隆社長=人物風土記で紹介=や株式会社さんこうどう(印刷)の川上彰久社長らを中心に話が進められていった。藤沢市商店会連合会の協力のもと、遊行寺や市のふじさわ宿交流館も会員となって3月29日、田島氏を初代会長に18事業所で正式発足となった。設立総会には鈴木恒夫市長や増田隆之藤沢商工会議所会頭、齋藤光久藤沢市商店会連合会理事長らがかけつけ、門出を祝った。

街並みや景観づくりも

 この地域は市の街なみ百年条例の「旧東海道藤沢宿街なみ継承地区」に指定されており、また、時宗の総本山である遊行寺(清浄光寺)も控え、歴史や文化が集積している。同商店会では個々の事業所の発展はもちろん、歴史を感じる街並みづくりや宿場町としての景観づくりなど、街づくりの観点を取り入れた活動を積極的に行っていくという。

真円上人が「藤沢宿」揮毫

 同商店会の会員でもある遊行寺の他阿真円上人が名称の元となっている「藤沢宿」の文字を揮毫。今後、商店会ののぼり旗など、様々な場面で活用される。

 会長の田島氏は「藤沢宿や遊行寺など、歴史ある通りをどうしていくのか。個々の店の繁盛だけでなく、賑わいのある街づくりの一つとして取り組んでいく」と話した。

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