ハリルだけじゃない…ロシアW杯出場決定後に「監督交代」した国とその理由

ワールドカップ開幕まで65日ほどに迫るなか、日本代表はヴァヒド・ハリルホジッチ監督との契約解除を発表した。

2015年3月から指揮を執ってきた指揮官とこのタイミングで袂を分かつことには、様々な反応が出ている。

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ただ、ロシアW杯の出場権獲得後に監督交代を決断した国は日本だけではない。ここでは同じように指揮官を“切った”国とその理由を見てみる。

オーストラリア代表

2013年に就任したアンジュ・ポステコグルー監督は、従来のロングボールに依存する戦術からの脱却を目指した。

ただ、今W杯アジア最終予選では日本、サウジアラビアに次ぐ3位に。それでもシリア、ホンジュラスとのプレーオフを勝ち抜き、本大会出場権を掴み取った。

だが、その1週間後の昨年11月22日にポステコグルー監督は辞任。その理由について本人は「チームに必要であるエネルギーをもたらすことができる人物に責務を受け継ぐのに相応しいタイミングだ」と述べており、この決断に協会会長は驚いたとも。

ただ、現地メディアによれば、指揮官は協会のゲームに関する理解不足に不満を抱えていたとも。

また、『ACB』によると、3バックの導入について現地メディアから疑問視されるなど、プレスとの折り合いが悪かったとされている。

「自国メディアが代表監督を批判するのは珍しいことではない。だが、ポステコグルーはおそらくその過去のせいでより個人的な攻撃を受けたように見える」との報道も。

サウジアラビア代表

アジア最終予選を日本に次ぐ2位で突破し、2006年以来となるワールドカップ出場を決めたサウジ。

だが、2015年からチームを指揮してきた功労者ベルト・ファン・マルワイク氏は、その直後にチームを去ることに。彼の場合はもともと契約自体が予選終了までだったのだが、延長交渉が破談に終わった形。

その理由について本人は「W杯予選の後、私のスタッフの多くが解雇された。受け入れがたいと感じた」、「(サウジに住むことを求められたが)自分にとって交渉可能ではなかった。永住したくない」などと明かした。

ただ、本大会までの新契約について交渉はしていたそうで、「今メディアから後任について聞いた。(交渉が)終わったことを今知った」、「(サウジの代表)選手たちは私が去らなくてはいけないことを理解できないと感じている。彼らは私とワールドカップに行きたがっていた 」とも述べている。

サウジは後任としてUAE代表監督だったアルゼンチン人のエドガルド・バウサ氏を招聘するも、なんと2か月で再び指揮官を変更。昨年11月に元チリ代表監督フアン・アントニオ・ピッツィ氏を新監督に迎え入れている。

一方、ファン・マルワイク氏はポステコグルー氏が去ったオーストラリア代表監督に就任。ただし、ワールドカップ終了後の退任も決まっている。

セルビア代表

欧州予選グループDを首位で突破し、2大会ぶりのワールドカップ出場が決定。だが、それから3週間ほど経った昨年10月末に、スラヴォルユブ・ムスリン監督との契約を解除した。

2016年5月にセルビア代表監督に就任すると、15試合で8勝5分2敗という戦績を収めていた指揮官の退任劇は現地でも驚きをもって伝えられた。

その理由についてムスリン氏本人は「W杯本大会でのチーム方針についての(協会との)相違から我々は破綻した」と、協会との方向性の違いについてほのめかしている。

後任監督には暫定として元セルビア代表DFムラデン・クルスタイッチ氏が指名され、その後彼がワールドカップ終了までは指揮を執ることが決まった。

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