ニッケンフェンス&メタル、新型フェンスを共同開発 意匠性・施工性を向上、ネットフェンスのイメージ一新

 日鉄住金建材の子会社でフェンスの製造・販売を行うニッケンフェンス&メタル(社長・村上保成氏)は9日、意匠性と施工性に優れた「ニットフェンス」を共同開発、今月から販売を開始したと発表した。近畿大学文芸学部文化デザイン学科と金網製造メーカーの共和鋼業、カラーワイヤーメーカーの日本化線との産学連携商品で、豊富なカラーバリエーションを有し、誰でも1人で組み立てができる〝新時代のフェンス〟となっている。村上社長は「生産拠点のある関西で当面2千メートルの販売を目指し、感触をみて全国展開したい」としている。

 本製品は従来のネットフェンスでは横張りで張力維持のために番線が必要だった金網を縦張りとすることで、すだれのように金網を下ろし任意の場所に固定できる。縦長の網目は子供などのよじ登り防止にも有効であるほか、下胴縁を持ち上げることができるため緊急時や雪かきなどの際にも威力を発揮する。専門の金網職人を必要とせず〝かける・下ろす・止める〟の3ステップで設置でき、取付金具もボルト4本、ワンタッチ中間金具2個、下胴縁固定プレート2個のみとシンプルだ。

 支柱設置後の施工時間は1スパン(約2メートル)当たり従来のネットフェンスは3人で半日仕事となっていたが、本製品は1人で約3分で完了する。さらに1スパン分をダンボール梱包にセットし、積み込みや輸送効率を大幅に向上。1パッケージは最大23キログラムと女性でも持ち上げることができる重さだ。デザインには特に注力し産学連携の力を発揮。従来はブラウンやグリーンしかなかったカラーバリエーションは6色と豊富でデザインパターンも4パターンとフェンスによって表情豊かに街を彩ることができる。これにより、公園や幼稚園、遊園地やイベント会場などの外周柵やマンション・戸建て住宅の外構のほか室内用のインテリアやディスプレイとしての活用など新たなフェンスの用途も生み出す可能性を秘める。梱包のデザインにも凝っており、DIY商品としてホームセンターなどでの販売も想定し得るという。

 開発は近大がデザイン面、共和鋼業が金網の製造面、日本化線がビニール被覆鉄線のカラーを担当。製品名は毛糸のニットのイメージで色を織り込むことやユニット化などを盛り込んだ。製品価格はネットフェンスより高くメッシュフェンスよりも安く抑えている。これまでのネットフェンスのイメージを一新する製品で、東京五輪関連施設などでの採用も期待される。

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