フジクラと情報通信研究機構、光通信で世界記録 大容量・長距離伝送に成功

 フジクラと情報通信研究機構は光ファイバによる大容量・長距離伝送で世界記録を更新したと発表した。情報通信で標準的な外径125ミクロンの光ファイバを使用。秒間159テラビットの大容量情報を、1045キロメートル伝送する実験に成功した。情報伝送能力の一般的な指標である伝送速度と距離の積算値は、これまでの標準外径光ファイバでの世界記録の約2倍となる。

 現在世界的に情報通信量が拡大しており、従来タイプの光ファイバを用いたシステムを超える大容量伝送の実用化が求められている。複数の光信号を一つの伝送路で流せるマルチモードファイバは大容量と長距離伝送の両立は難しいと考えられていたが、今回の実験ではそれに成功した。

 今回実験に用いた特殊なファイバはフジクラが開発したもの。光の波長の違いで情報を伝送するマルチモードファイバで、3モードの光で合計1044種類の信号を同時に伝送できる。システムの構築や伝送実験は情報通信研究機構が担当。マルチモードファイバで課題だった、モードにより光信号の到着時間が異なる現象を克服し大容量・長距離の情報伝送に成功した。

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