カージナルスの新戦力・ホランドが大乱調 4四球で決勝点を献上

【ブリュワーズ5-4カージナルス】@ブッシュ・スタジアム

9回裏にブリュワーズ5番手のマット・アルバースから1点をもぎ取り、同点に追い付いたカージナルスは、延長10回表のマウンドにこの日メジャーへ昇格してきたばかりの新戦力、グレッグ・ホランドを送り込んだ。昨季はロッキーズでリーグ最多タイとなる41セーブを挙げ、通算186セーブをマークしているホランドには、ブルペン補強の切り札として大きな期待がかけられていたが、新天地での初登板はまさかの大乱調。対戦した最初の2人を四球で歩かせ、送りバントで一死二、三塁となったあと、マニー・ピーニャを敬遠して一死満塁となり、オーランド・アルシアにストレートの四球を与えて押し出しで決勝点を献上してしまった。

カージナルスにとっては想定外の展開だったのかもしれない。1点ビハインドの9回裏に無死満塁のチャンスを作ったカージナルスは、ヤディアー・モリーナに代走を送り、投手の打順でグレッグ・ガルシアを起用するなど、控え選手を惜しみなく投入。一気に逆転サヨナラを狙った。ところが、ガルシアはセンターへの浅いフライに終わり、デクスター・ファウラーの犠牲フライで同点に追い付くのが精一杯。10回表に控え捕手のフランシスコ・ペーニャを守備に就かせた時点で控え野手はいなくなり、4対4の同点の場面でホランドの今季初登板の機会が巡ってきた。

開幕直前にカージナルスと契約したためオープン戦での登板機会がなかったホランドは、Aアドバンス級で2試合に調整登板し、メジャーへ昇格。ところが、調整不足の影響か制球が不安定で四球を連発。送りバントで1アウトこそ記録したものの、敬遠を含む4つの四球を与え、ブリュワーズに決勝点を献上した。

一方のブリュワーズはクローザーのコリー・クネーベルを故障で欠いており、1点リードの9回裏にはアルバースが登板。不運な形で無死満塁のピンチを背負い、ファウラーの犠牲フライで同点に追い付かれてしまったものの、「1点で凌げば勝つチャンスはあると思っていた」とアルバースが語ったように、カージナルスの反撃を同点で留めたことがチームの勝利に繋がった。

不運な形でピンチを背負いながらも最少失点で凌いだアルバースと、調整不足を露呈して自滅したホランド。両投手のコンディションの差が、そのまま両チームの明暗を分ける形となった。

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