【近畿アルミニウムの経営戦略】〈安田立明社長に聞く〉浴室ドアの高付加価値化へ

オーダーメードで製品開発

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 近畿アルミニウム(本社・奈良県北葛城郡広陵町、社長・安田立明氏)は、1965年創業のアルミ製浴室ドアメーカー。安田社長は「大手とは一味違う対応力が当社の強み。浴室ドアをフルオーダーで1枚から作ることにも対応している」と話す。同社の経営戦略を聞いた。(白木 毅俊)

――貴社の概要から。

 「近畿アルミは藤田氏が1965年にアルミサッシ加工・販売を手掛ける藤田製作所として創業し、69年に近畿アルミニューム工業として改称、2012年に現社名に再改称している。業界の競争激化による採算悪化で2002年には民事再生法を申請。これにより従業員を半減の40人体制とした。その際にトップが交代し、専務だった中島氏が2代目社長に就いた。もともと、安田金属工業(本社・大阪市、社長・安田立明氏)とは素材供給などで長年にわたり協力関係にある。近畿アルミの経営テコ入れを頼まれたのがきっかけとなり、2012年には私が社長に就いた。近畿アルミと安田金属の両社は私が社長を兼任してはいるものの、互いにグループ会社ではない」

――6年前の社長就任時のテコ入れ策は。

 「まず行ったのは設備投資だ。総額で約5500万円を投じ15年にプレス4台・自動切断機を、16年にはウレタン注入機を入れ替えた。これにより品質面や歩留まりが大きく向上し、業務改善につながった。業容改善に向け、3S活動(整理・整頓・清掃)から始めた」

――業績動向は。

 「民事再生申請後も長年にわたり赤字操業が続いた。6年前から大きく社内改革を進め、高付加価値指向を徹底させた。足元の月産量は4千台ほど。生産水準を落としたことで、余力が生まれ高付加価値化へと踏み出すことができた。とりわけこの1~2年は東京五輪絡みで首都圏を中心としてホテルの新築・改築が相次ぎ、需要が一気に拡大、業績が上向きに転じた。年間売上高は約5億円で、収益面でも黒字転換を果たした」

――近畿アルミの強みは。

 「自社ブランドでは浴室ドアの『EFELIA(エフェリア)』、浴室ドアのみを取り替える『浴室ドア取替くん』の2ブランドを持つ。リゾートホテルやデザイナーズマンションなどの、大手にはできないオーダーメード対応を行っている。このほど浴室ドア『両引き分け折戸』を新たに開発した。新製品は二つ折りの折戸を枠の両サイドに配置したタイプで、業界でも初の製品。ゆったりとした開口を確保できることが最大の特長で、車椅子に座ったままで浴室に入れる。その他にも『外開き框(かまち)ドア』『シャワーブースドア』『アルミテンパードア』などのラインアップがある。OEM製品も手掛ける。東京・新宿には共同展示ではあるがショールームもある」

――目指している将来像は。

 「浴室ドアに関してお客さんが相談しやすい会社、コンビニエンスな会社を目指したい。スローガンは『「できる?」を創る!近畿アルミ』を掲げている。お客さんに喜んでもらえるよう、社員38人が一丸で業容拡充に努めたい」