[NAB2018]カペラシステムズ、Cambria FTCの新バージョン4.0を一般初公開。クラウドストレージ対応、Netflix向けIMF生成、自動テキスト認識

ブースの中央でアピールするLGディスプレイには、新バージョンで対応したDolbyVisionの映像クオリティが確認できる

米カペラシステムズはNAB出展ブースにて、同社のコアソフトウェア製品「Cambria FTC」のメジャーアップグレード版4.0を一般初公開している(サウスホール/ブースNo.SU9224)。Cambria FTCは、日本でも浸透した、PCベースのメディアトランスコードソフトウェア。カペラシステムズでは、Cambriaブランドのメディアファイルトランスコードおよびライブエンコードするアプリケーションを開発している。

本バージョン4.0での主な新機能を会場で紹介してもらった。

主要な新しい機能の1つに、AWSが提供するクラウドストレージサービスAmazon S3にダイレクトに書き込むことができる機能が追加されたことがあげられる。ローカルストレージに書き込みながら同時にクラウドで同ジョブをすることも、クラウドだけに実行することも可能。クラウドストレージを併用できることで、ローカルのストレージ容量確保の心配がなく、変換メディアデータを保存および取得できるようになる。

また納品先への指定する言語ファイルやビデオ・オーディオファイルを組み込み、IMF(Interoperable Master Format)規格のパッケージ生成およびパッケージ内のエレメントを視認し編成することができる。

「ただ単に、多様なメディアフォーマットに対応することだけではなく、メディアの利用のための付加価値的な機能の開発や、利用展開の拡張に注力している」と、カペラシステムズの山田社長が語るように、本バージョンで実現したOCR技術を活用した自動テキスト認識機能も、注目すべき1つだ。

映像に焼き込まれた字幕を自動で抽出し、XML/STLフォーマットで生成してくれる。日本語を含む多言語に対応。もちろん、100%正しく抽出することは不可能なため、自動抽出をした後に視認で修正していく。古い映像では字幕ファイルがない場合も多く、そういった場合でも、この自動機能を利用することで、大幅な作業時間と負担の削減が期待できる。

字幕の色を絞ってあげることで、文字の認識度が向上する

この自動機能は、既存の米国有数のメディアプロダクションユーザーからのリクエストに応えたものだというが、Netflixの納品メディア規定にある、テキストが映像にないかを自動検出するツールとしても、活用できる。

(ザッカメッカ)

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