【MLB】大谷翔平、米紙が比較するCY賞右腕「打者幻惑、腕の振りはどちらも一級品」

日本人メジャーリーガーとして最速&最年少でア・リーグ週間MVPに選出された大谷翔平【写真:Getty Images】

圧巻投球の大谷、米紙はサイ・ヤング賞右腕リンスカムと比較

 エンゼルスの大谷翔平が投打にわたる大活躍で、日本人メジャーリーガーとして最速&最年少でア・リーグ週間MVPに選出された。先発2試合目にして、一時完全試合を期待させる投球を見せた「投手・大谷」について、米メディアはサイ・ヤング賞に2度輝いた右腕と比較する特集を行っている。地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」電子版が「ショウヘイ・オオタニは新たな“フリーク”なのか? ティム・リンスカムのように、彼は必見の劇場だ」との見出しで伝えている。

「ベーブ・ルース2世」と称される二刀流右腕について、米紙が比較対象に挙げたのは、かつてメジャーを席巻した名投手リンスカムだった。

 記事では「ティム・リンスカムにはオオタニの球速や体躯、打撃能力はないが、リンスカムが全盛期にマウンドを降りる時、こんな投手を見たことがないとファンと打者に思わせてしまうのものだった。まさにその当時から10年後となる、今のオオタニのようだ」と言及。身長180センチ、細身ながら全身を使ったダイナミックなピッチングで打者を制圧したリンスカムと大谷の類似性をレポートした。

 リンスカムはメジャーデビュー2年目の2008年に18勝5敗、防御率2.62でサイ・ヤング賞を獲得すると、翌09年も15勝7敗、防御率2.48の活躍で2年連続同賞に輝いた。08年から3年連続で最多奪三振も記録。昨年は所属がなく、今季レンジャーズに所属している右腕に全盛期の輝きはないが、その圧巻の投球で一時代を築いた。

共通する決め球の破壊力、大谷のスプリットは「凄まじい変化」

 記事によると、あるスカウトは「打者を幻惑するレベルと、腕の振りのスピードの一貫性はどちらも一級品だ。そこに関しては2人を比較することができる」とリンスカムと大谷の類似点について語っているという。同紙は「今やオオタニは野球に別次元の嵐をもたらした。この近代版リンスカムは、飛距離抜群のホームランを3本放っている」と、23歳の日本人が投球に加え、打撃でも強烈なインパクトを残していることにも触れている。

 また、記事では「かつてはリンスカムのチェンジアップは芸術品だった。2ストライクから打者を退かせるために使われていたのである。普通のチェンジアップよりも高速だ。殿堂入りのトレバー・ホフマンよりも10マイル(約16キロ)も速く、打者を困惑させる。最後の瞬間に打者の視界から消え、バットは空を切る。まるでオオタニのスプリットフィンガーファストボールのようだ」と両投手の決め球を比較。一方、スカウトは「あのスプリットは今まで見た中で最高だ。高速で大きな動きを見せる。ただただ別格なんだ」、「腕を振るスピードはファストボールのそれと変わりないんだ。ボールの回転からは判断できない。本当に、凄まじい変化をするんだ」と大谷のスプリットに驚嘆の声を漏らしているという。

 大谷に関しては8日(日本時間9日)のアスレチックス戦で7回1安打12奪三振無失点の好投を見せた直後に、女房役のマルドナードが「ミルウォーキーでチームメートだったザック・グリンキーが一番近いと思う。彼のベストの時のようだ」と評していた。そのグリンキーもサイ・ヤング賞受賞歴がある名投手だ。

 メジャーでまだ2試合の登板ながら早くもサイ・ヤング賞投手と比較する声が挙がっている二刀流右腕。大きな注目を浴びる中、今後も快投を続けることができるか。

(Full-Count編集部)

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