高周波鋳造、新鋳造ラインが稼働 生産性40%向上、生型製品を拡販

 高周波鋳造(本社・青森県八戸市、社長・大久保寿之氏)は本社工場で新鋳造ラインを完成し、稼働を開始した。小物製品対象の生型鋳造ラインを老朽更新し、生産性を40%高めた。生産負荷の高い主力の中大物品用ラインから生産を一部移管し、ライン間の生産負荷バランスを適正化するとともに新規拡販を進める。総投資額は約5億円。

 現状はフル稼働でも顧客ニーズに対応し切れない状況で、今回の能力増強により生型製品全体の月間生産量を現行2500トンから300トン増の2800トン(最大3千トン)に拡大していく。

 高周波鋳造は日本高周波鋼業の完全子会社で、トラック・建機・産機向けを中心に高級鋳鉄を供給している。既存の小物製品対象の生型鋳造ラインは稼働後36年が経過し、機械精度低下により生産性・歩留まりが低下している。今回の老朽更新では作業安全性の向上も兼ねて自動注湯機1基の導入や砂回収系統設備の能力増強も実施した。

 機械設備能力増強と歩留まり改善を合わせて40%の生産性向上を見込む。4月から試作品鋳造を行い、客先の承認を得たアイテムについて新鋳造ラインでの量産を順次開始する。18年度末までに新旧ラインの生産移行を完了する。小物用ラインによる月産量は現行400トンから19年に700トンを目指す。

 4日には日本高周波鋼業の河瀬昌博社長や工事関係者らが出席し竣工式を行った。

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