瀬谷在住中村優太さん 高校なぎなたで全国一 判定決着無く、完勝 横浜市瀬谷区

賞状とトロフィーを持つ中村さん

 区内瀬谷在住で、神奈川大学附属高等学校(緑区)2年の中村優太さん(16)が3月24日から25日、兵庫県伊丹市で行われた「第13回全国高等学校なぎなた選抜大会」男子個人の部で優勝を果たし、高校男子の頂点に立った。

 なぎなたは刃と柄からなる日本の伝統的な武器の一つ。江戸時代に女性の護身用として用いられていたことなどから、女性の競技人口が多い。競技で使用する現在のなぎなたは竹と樫の木で作られ、長さは210〜225cm。試合では面、胴、小手、すね当てを装着し、定められた部位を素早く確実に打突して勝負を競う。試合競技のほか、2人1組で行う演技競技がある。

 中村さんは中学時代から同校なぎなた部に所属。中学3年でも全国大会で優勝しており、今回は自身2度目の日本一となった。同大会の男子部門は神奈川県代表の中村さん含め46人が出場。団体戦は無く、個人試合のみの実施となった。

 初戦を小手とすねを取って勝つと、その後も時間内に着実に勝負を決めていった。決勝では、過去に対戦経験のある1学年上の選手だったが、「緊張はなく、しっかり一本取っていこうという気持ちだった」。終盤で中段の構えから相手のなぎなたを払い、面を打ち込むという得意技で先取。この一本を守り、高校では初となる全国優勝を勝ち取った。

 大会を振り返り、「ずっと気を張っていたので、優勝できてホッとした気持ちの方が大きかった」と笑顔。判定で決着がつく試合が多い中、6試合全てを判定までもつれることなく勝利した点について、「繰り返し練習していた成果を出すことが出来た」と手応えを実感していた。

「男子の競技人口増やしたい」

 瀬谷小3年から5年まで、父親の影響で剣道を習っていた中村さん。中学でなぎなた部を見学した際、しなやかな動きや、部活の雰囲気に惹かれて入部を決意した。なぎなたは扱いが難しく、「素振りや掛かり稽古など、とにかく量をこなした」中学時代。高校では他の選手の動画を見て研究するなど、質を重視するようになったという。

 現在同部は中高合わせ女子33人、男子9人がともに練習に励む。「女子は力を抜いて打つことが上手なので、一緒に練習していて勉強になる」と話す。大会前には区内の地区センターを借りて練習することも。3歳下の弟も同部に入り、兄弟で切磋琢磨する日々だ。

 なぎなたの魅力を「多彩な技」と表現する。男子の競技人口を増やしたいと話し、「いつか団体戦が出来るくらいになれば嬉しい。男子全体のリーダーのような存在になれたら」と意気込んだ。

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