コロンVS大谷翔平は21歳2か月差 日米球史に残る20歳超の“年の差対決”

今季MLB最年長、44歳のバートロ・コロン【写真:Getty Images】

大谷は大投手コロンの前に二ゴロに倒れる

 4月10日(日本時間11日)、エンゼルスの大谷翔平は敵地レンジャーズ戦の9回に代打で登場した。打球は速かったが、二塁手の正面を突いて二ゴロに倒れた。この日対戦したのは、今季MLB最年長、44歳のバートロ・コロン。23歳の大谷との年齢差は約21歳2か月だった。

 コロンは若い頃は豪腕投手として知られたが、次第に2シームやチェンジアップを投げる技巧派に変身。アスレチックスに所属した2012年には、東京ドームで開催されたマリナーズとの開幕シリーズ第2戦で先発し、イチローを4打数無安打に退け、8回自責点1の快投を見せた。ここまで通算540試合に登板し、240勝176敗の成績。90年代から大活躍したコロンと大谷翔平の対戦は、歴史的と言ってよいだろう。

 日米の野球史には、20歳以上の年齢差がある選手同士の対戦がしばしば見られる。

 通算755本塁打を記録したMLB史上屈指の大打者ハンク・アーロンは、ブレーブスの主砲として君臨したが、1975年に41歳でブリュワーズに移籍。42歳で引退した翌76年には、5月30日のクリーブランド・インディアンス戦で20歳の先発右腕デニス・エッカーズリーと対戦している。アーロンは左前打、三失、遊飛、三ゴロの記録を残した。エッカーズリーは後にクローザーに転向し、通算197勝171敗390セーブをマーク。アーロン、エッカーズリーともに殿堂入りしている。

 通算324勝292敗、MLB歴代1位の通算5714奪三振を記録した大投手ノーラン・ライアンは46歳まで現役で投げたが、最終登板となった1993年9月22日のマリナーズ戦では、22歳10か月のケン・グリフィJr.と対戦。グリフィは四球を選んでいる。この試合でライアンの球を受けたのは、24歳10か月のイバン・ロドリゲスだった。この3人も、ともに殿堂入りしている。

40歳の王貞治は19歳の牛島和彦と対戦

 通算868本塁打を打ったNPB史上最強打者の王貞治は1980年に40歳で引退したが、この年の9月14日、後楽園球場の中日戦で19歳の牛島和彦と対戦。先発3試合目の牛島に中飛、中飛と打ち取られた。牛島は前年の甲子園で、ドカベンこと香川伸行とのバッテリーで「浪商旋風」を巻き起こした人気選手だったが、レジェンドとの対決に「緊張した」と語っている。

 2015年10月7日、マツダスタジアムでの広島-中日戦で、50歳の山本昌はこの年2度目、そしてキャリア最終の登板を迎えた。通算219勝165敗。NPB史上最後の200勝投手になるのではないかと言われる左腕は、24歳下の丸佳浩と対戦。時速117キロのスライダーで二ゴロに打ち取り、敵地ながら大観衆の声援を受けてマウンドを降りた。丸は2017年にはMVPを受賞するなど、山本昌とともに球史に残る選手になろうとしている。

 大谷は今後、同地区のシアトル・マリナーズとの対戦が控えている。このカードで登板すれば、21歳年長のイチローとの対戦があるはずだ。大谷翔平が生まれた年に当時のNPB新記録となる210安打を放って大ブレイクしたイチローは、大谷世代にとっては子供の頃から憧れの存在だった。投手・大谷翔平はイチローに対してどんな投球を見せるだろうか。

 早くも大谷は記録ずくめのシーズンを送っているが、レジェンド打者との対戦でも球史に新たな物語を織りなしていく。

(Full-Count編集部)

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