災害時計画の重要6要素、全規定は県内12市町村のみ 

 大規模災害時に自治体機能を維持する業務継続計画(BCP)に、非常時優先業務の整理など「重要6要素」を全て規定しているのは県内12市町村で、3割弱にとどまることが15日、熊本日日新聞の集計で分かった。熊本地震の経験を踏まえ、各市町村は県の支援を受けてBCP策定に取り組んでいるが、進捗[しんちょく]に差が出ている。

 全45市町村に1日現在の状況を尋ねた。全6要素を規定済みと回答したのは熊本、人吉、水俣、上天草、南小国、高森、芦北、錦、湯前、相良、五木、球磨の12市町村だった。

 6要素の項目別にみると、「首長不在時の代行者」は全45市町村が規定。「本庁舎が被災して使えない場合の代替庁舎の指定」は36市町村、「多様な通信手段を確保する計画」は37市町村が規定済みとした。  

 これに対し、「非常用発電機や職員用の水、食料を確保する計画」は30市町村が規定できていないと回答。「非常時優先業務の整理」は25市町村、「重要データのバックアップ」は19市町村が完了していない。  職員用の水・食料確保は、職員不足などを理由に必要量の把握や備蓄倉庫の整備を段階的に進めている自治体が多かった。各課にまたがる優先業務の整理も、通常業務を抱えて「内部協議が遅れている」とした自治体もあった。

 一方、他地域からの応援職員や物資の受け入れ体制を定めた「受援[じゅえん]計画」は10市町村が策定済み。残りは2018~19年度中の策定を目指すとした。

 16年4月の熊本地震発生時に全6要素を規定済みだったのは熊本市のみ。32市町村には全くなく、代替庁舎を決めていなかった宇土市や益城町など7市町は本庁舎の被災で災害対応が滞った。優先業務が未整理で混乱した市町村も相次いだ。  県は重要6要素の規定を終えていない市町村を個別に支援し、18年度中の完了を目指す。(並松昭光)

(2018年4月16日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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