古河電工産業電線、溶接機用アルミケーブル開発 重量半減で作業負担軽減

 古河電工産業電線(本社・東京都荒川区、社長・松本康一郎氏)はアーク溶接機用のアルミケーブルを開発した。開発品のアルミWCCTはアーク溶接機の2次側配線に使用するケーブル。軽量なアルミを導体として使うことで、従来の銅導体を用いたケーブルと比べて重量を約半分に低減している。軽量化などで溶接作業時の負荷を大幅に抑えられることが特徴となっている。溶接機メーカーへの拡販を目指しており、今後サンプル出荷を進めていく方針。2018年内の販売開始を目指している。

 造船などの溶接現場では長いケーブルを持って移動しながら作業するケースが多く、その軽量化は作業負担の軽減に貢献できる。従来品は10メートル当たりの重量が約5キロあるが、開発品は3~5割軽減。女性の作業者にも優しい製品となっている。

 重量は大幅に低減しているが、柔軟性は材料や導体設計の工夫で従来のケーブルと同レベルを維持。取り回しのしやすさを保っている。

 同社では市場の要請に基づいた新商品の投入を経営の重点項目に位置付けており、技術力を生かして現場の作業負担を軽減する製品の市場化に注力。建設用の電線・ケーブルなどでも軽量なアルミ導体の製品を積極的に開発している。

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