ハリル電撃解任で「ワールドカップ出場が危ぶまれる6人」

ハリルホジッチ氏を解任し、西野朗監督と日本人スタッフでワールドカップに臨むこととなった日本代表。

西野監督は新チームの人選について、「フラットに考えたい」としつつ本番まで時間がないこともあり、前監督のベースを基本的には引き継ぐとしている。

海外の日本代表最新情報、Jリーグ超ゴールはこちら

ただトップが変われば配下も刷新され、前体制で重用されたものほど不遇を囲うのは世の常である。日本代表にも、今回の解任劇によって立場が急変する選手が少なからず発生するであろう。

そこで今回は、ハリルホジッチ氏の解任&西野監督の就任によって「ワールドカップ出場に黄信号が灯った」、かもしれない選手たちを特集する。

あくまでもQoly編集部の独断と偏見による選定であることをご容赦いただきたい。

浅野 拓磨

縦に速いサッカーを志向するハリルホジッチ前監督にとって、「ジャガー」の愛称を持つ快足の浅野は待望の人材だった。

リオ五輪前のトゥーロンに参加中だった彼をA代表に招集し、大会途中半ば強引に帰国させたことはまだ記憶に新しい。その期待に応えるように浅野は、アーセナルへ移籍し、A代表にも定着。そして昨年8月のオーストラリア戦で6大会連続ワールドカップ出場をもたらす決勝弾を決め、本大会行きを手中に収めたかと思われた。

しかし今季ドイツ1部に昇格したシュトゥットガルトで出番を失うと、代表でもベンチを温める機会が増える。3月の代表戦ではとうとう招集外となり、追い打ちをかけるかのようにハリルも解任されることとなった。

明確な武器を持つだけにまだ希望はある。しかしこのままドイツで出番を得られなければ厳しいだろう。

酒井 高徳

両サイドをこなす点が魅力で歴代の監督に重用されてきた酒井高徳。ただ、単純にパフォーマンスだけを見ると日本代表では物足りなさを感じることも少なくない。

本職といえる右サイドには、ビルドアップ能力に長けた内田篤人や西大伍など有力選手が他にも存在している。

主将を務めるハンブルガーSVが低調で、同じ苗字を持つ酒井宏樹が所属のマルセイユで左サイドでも起用されていることを考えれば、地位が安泰とはいえない状況である。

杉本 健勇

杉本は、ハリルホジッチ監督から必ずしも絶対的な評価、地位を与えられていたわけではない。

しかし、「強さ」「高さ」「速さ」をシンプルに求める指揮官にとって、杉本の187cmという長身と50m5秒台のスピードは大きな魅力で、彼自身もセレッソ大阪で日進月歩の成長を遂げていることから23人入りの可能性が高まっていた。

だがそれもハリルの解任で振り出しに戻った…かもしれない。

西野朗監督は先日セレッソ大阪対FC東京の試合を視察しており、おそらく現在も候補の一人ではある。ただ大迫がいて、岡崎慎司の復帰が囁かれる中で序列はやや低下したのではないだろうか。

遠藤 航

浦和レッズでは大槻毅暫定監督のもとで引き続きレギュラーとして活躍している遠藤。しかし、ハリルホジッチ監督の解任によりロシア行きは少し遠ざかったのではないだろうか。

彼の持ち味は守備での厳しさとユーティリティ性。ハリルホジッチのサッカーに適合する選手の一人だった。

しかし、キックの精度は高いがボランチとしてのパス出しにはやや難があり、攻撃面はパートナーに依存する部分が否めない。西野監督が求めるボランチ像に当てはまるかは未知数だ。

井手口 陽介

西野監督のガンバ大阪を見て育ったであろう“怪物”も、危機に瀕している。

今でもハリルホジッチ氏を支持するコアファンが、その根拠としているのが完璧な戦いによってワールドカップ出場権を獲得した昨年8月のオーストラリア戦。その時に大抜擢され、勝敗を決定づける2点目のゴールを決めたのが井手口だった。いわば彼はハリルホジッチ氏の秘蔵っ子、申し子といえる存在であろう。

だが大志を抱く21歳の若者は本大会が控える今冬、さらなる成長を願って海外移籍に踏み切った。その冒険的な心意気は誰も否定することはできない。しかし現実として、スペイン2部で出場機会を失った彼は3月の親善試合で代表から外れ、今現在も全く先の読めない状況に置かれている。

久保 裕也

日本代表チームで最も競争が激しいポジションはどこか?それは2列目のサイドにほかならない。

本田、乾、原口と実績ある選手がおり、さらに中島翔哉、堂安律、宇佐美貴史、伊藤達哉、南野拓実らの突き上げもある。武藤嘉紀や浅野拓磨もまだ排除されているわけではない。

ハリル体制中期で重用されてきた久保裕也であるが、重要なオーストラリア戦では起用されなかったし、クラブでの輝きもこのところは鈍い。

そもそもサイドのタレントかと言われればどうなのか?という点もあるが…。ではトップ下やシャドーとしてはどうか?となれば香川真司や柴崎岳、森岡亮太らとの競争になってしまうし、W杯レベルの試合で中央に久保裕也+司令塔を置くのは厳しい。

“黄信号”というよりは、「今後の使い方が想像しにくい」選手であると言えるだろう。

© 株式会社ファッションニュース通信社