車いすでも気軽に着物を 美容師ら 着付け方法学ぶ

 車いすに座った相手に着付けする方法を学ぶ講習会が15日、長崎市内であり、県内の美容師ら16人が参加した。日本の伝統文化の着物を、年齢などに関係なく楽しめる社会を目指そうと、熊本県玉名市のNPO法人日本理美容福祉協会熊本中央センターが開いた。
 長崎市での開催は2回目。着付けの方法は、あらかじめ車いすに準備した長じゅばんと着物の上に座ってもらった後、袖に腕を通し、帯を締める。この間、一度も立ち上がらないため高齢者らの負担が減る。特別な着物を用意する必要がないため、親から受け継いだ思い出の品物なども着ることができるという。
 参加者は、2人一組で着付けし合い、やり方を確認した。同市中小島1丁目の着付け教室講師、松岡きぬえさん(67)は「車いすに座ったまま着付けしてもらうのは楽。年を取って着物を諦めている方にもお着せしたい」、西彼長与町の美容師、岡崎美津子さん(57)は「楽しい着付けのために介護の知識を持つ必要があると感じた。ぜひマスターしたい」と語った。

車いすに座った相手に着付けをする参加者=長崎市桜町、県勤労福祉会館

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