日立金属が新事業創生へ、「グローバル技術革新センター」完成 次世代先端材料の開発強化

 日立金属は新事業創生を担うコーポレート研究所である「グローバル技術革新センター」の研究棟を埼玉県熊谷市に完成した。16日現地で開所式を行い、平木明敏社長ら約50人が出席した。電気自動車への期待の高まりやIoTやAIなどを活用した生産革新の進展など取り巻く環境が大きく変わる中、材料技術・製品における脅威と機会の両面を視野に入れて中長期研究テーマに注力し、次世代を担う新事業の創生を推進する。

 グローバル技術革新センター(英文名Global Research & Innovative Technology center)の略称は「GRIT」(グリット)。GRITは「困難にあってもくじけない勇気、気概、やり抜く力」を意味する英単語を由来とし、自社の研究開発の理念を体現する称号でもある。

 GRITは10年、20年先を見据えた飛躍的な技術革新に挑戦する。顧客との協創を促すコラボレーションエリアや3Dプリンターを用いたオープン・ラボを設置するなど、世界の優秀な研究者との交流の場としても活用し、イノベーション創出を目指す。新研究棟の完成に合わせて磁性材料研究所を山崎(大阪)から移転し同床化した。

 平木社長は「主力製品に関わる技術潮流の変化は当社にとって脅威だが、当社自身が技術革新を起こせば大きく飛躍する機会に変わる。産業の技術革新をけん引してきたのは材料革新であり、革新的な先端材料の開発は社会を大きく変える起点となる。お客様にとって最良のパートナーになるために時代が求める材料にこだわり、革新的な先端材料を次々と生み出していきたい」と挨拶した。

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