ケン・ブロック、2018年はWRCスペインなどに参戦。秋には『ジムカーナ』シリーズ最新作も

 2017年限りでWorldRX世界ラリークロス選手権へのフル参戦を終了したケン・ブロックが4月16日、2018年の活動についてアナウンス。10月25~28日に行われるWRC第12戦スペインをはじめ、WorldRXやARXアメリカ・ラリークロス選手権などに参戦する。

 市街地などで華麗なドリフトテクニックを披露する『ケンブロック・ジムカーナ』シリーズがYouTubeで1億回以上再生されるなど、世界中に多くのファンを持つブロック。WorldRXには2016年からフォード・パフォーマンスの支援を受けて参戦してきた。

 そのブロックはWorldRXでは思うような結果を残せず苦戦。2017年10月には「フォード・パフォーマンスと相談した結果、世界ラリークロスでの活動を継続しないことに決めた」とFacebookに書き込み、2018年はシリーズに参戦しない意向を明かしていた。

 このアナウンス以降、ブロックは2018年の活動について明言してこなかったが、18日に所属するフーニガン・レーシング・ディビジョンのサイト上で活動計画を発表。ラリーやジムカーナ、ラリークロスの3カテゴリに参戦すると発表した。

ブロックがアメリカ国内ラリーに投入するフォード・フォーカスRSコスワース

 ラリー競技についてはアメリカ国内のラリー3戦にフォード・エスコートRSコスワースで参戦するとともに、WRC第12戦スペインにフォード・フィエスタWRCで参戦する。

 ブロックのWRC参戦は2014年以来のことで自身通算25回目のエントリー。ラリー・スペインは2010年に総合9位入賞を果たすなど、好成績を残しているイベントでもある。

 現在50歳のブロックは「WRCで戦うためには、入念な準備とトレーニングが求められる」とコメントしている。

ブロックがWRCスペインでドライブするフォード・フィエスタWRC

「ただ限られた時間のなかで調整を進めなくてはいけない。WRCでしっかり戦うには理想的な準備期間とは言えないが、できる限りのことをするつもりだ」

 またブロックは上述したラリーに加え、2018年から新たに発足する北米中心のラリークロスであるARX2戦と9月29~30日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われるWorldRX第10戦にもエントリーして“前言撤回”。自身が開発してきたフォード・フォーカスRS RXで戦いに挑む。

 なお、ラリークロスについては、GRCグローバル・ラリークロスを戦ってきたスティーブ・アーピンとタッグを組んでの参戦となり、アーピンとともにマシンの熟成を継続していくという。

「ここ数年戦ってきたラリークロスは本当に楽しかった。ただ僕はラリーでレースキャリアをスタートさせたから、僕の心はつねにラリーとともにあった」とブロック。

「今年のスケジュールには満足しているよ。ラリーを戦いながら、ラリークロスにもスポット参戦できるんだからね。エスコートRSコスワースで戦うのも楽しみだし、2017年型WRカーに乗るのも待ち遠しい」

「さらに、スティーブ・アーピンたちとフォーカスRS RXの開発を続けられることにも興奮しているよ」

 そのほかジムカーナグリッド2018への参戦も予定しているほか、通販サイト大手のAmazonが提供する動画配信サービス『Amazon Prime』独占のドキュメンタリー『ジムカーナ・ファイルズ』(全8回)や、2018年秋公開予定の人気動画シリーズ最新作『ケン・ブロック・ジムカーナ10』などの映像制作にも取り組んでいく。

ブロックのレーシングスーツやマシンカラーのデザインは『デス・スプレイ・カスタム』が担当。2017年の“3Dライトニング”デザインを仕上げたアーティストだ

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