<大ヒット盤> 松任谷由実『ユーミンからの、恋のうた。』 テーマは純真さ、強さ、そして体験

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松任谷由実『ユーミンからの、恋のうた。』

 デビュー45周年となる3枚組ベスト。今回はヒット曲中心の40周年ベストとは重複しない45曲をユーミン自身がセレクト。タイアップ曲が少ない分、描かれた世界がより鮮明に映るようだ。

 “DISC1 Pure Eyes”では、特に離島の風景を想った『瞳を閉じて』や東南アジアでの過酷な運命の少女を想った『スラバヤ通りの妹へ』など純真さが印象的。

 “DISC2 Urban Cowgirl”では、『ふってあげる』や『心ほどいて』など、演奏や歌唱を含めバブル期の強い女性が目立ち、彼女の音楽が時代を牽引してきたと再確認。

 そして“DISC3 Mystic Journey”では、生きるほどに出逢いや別れも含め、様々な体験をすることを知らされる。近年の『シャンソン』は、まるでその集大成のようだ。純真さ、強さ、体験することを、今だからこそテーマにしたと思うと、やはり時代を読んでいると恐れ入った。

 楽曲ごとの本人手書きの文章やイメージ写真が掲載された108Pのブックレットも新発見の手引きに。本作により、喜びも悲しみも、より長い目で見つめられるようになるはず。

(ユニバーサル・3400円+税)=臼井孝