日立金属、日立製作所と共同で金属3Dプリンタ用粉末を開発

ハイエントロピー合金の造形に成功

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 日立金属は17日、日立製作所の研究開発グループと共同で、金属積層造形(金属3Dプリンタ)に適した金属粉末を開発し、レーザ粉末積層造形法の最適なプロセス条件を見いだし、ハイエントロピー合金の造形に成功したと発表した。今後実証実験を進めて実用化を目指す。

 金属粉末の開発では、CAE解析技術により材料の特性や変形を検証し、かつ金属積層造形の特性に合わせることで最適化を図った。金属粉末の生成は真空ガスアトマイズ法を用いて安来工場で行っている。この金属粉末を用いた積層造形では、粉末層に局所的に溶融、凝固させることでハイエントロピー合金「HiPEACE」の造形に成功した。

 ハイエントロピー合金は5種以上の元素が同程度含まれる合金で、過半を占める主要元素が存在しない。強度と耐食性に優れる一方、鋳造性や加工性が難しい。「HiPEACE」は日立製作所が開発したハイエントロピー合金の登録商標。

 今回の開発で得られた造形物は高い強度と延性、耐食性を持つことが確認でき、既存のニッケル基合金よりも過酷な環境で用いられる可能性があることも確認している。

 なお日本機械学会の定時社員総会特別企画(あす19日、明治記念館)でこの研究開発に関する講演を行う。