金属行人(4月18日付)

 大学生に鉄鋼業への理解を深めてもらおうと日本鉄鋼協会が主催する恒例の「経営幹部による大学特別講義」が今年度も5月からスタートする。高炉メーカーや特殊鋼メーカーの技術系副社長ら経営幹部に全国の大学に出向いてもらい、鉄鋼業や鉄の魅力を伝えてもらう内容だ▼講師を務める経営幹部の面々は魅力が伝わるようにと思い思いに工夫を凝らし、熱っぽく語りかけることもしばしばだ。「鉄鋼業はあらゆる技術の集大成。成熟していると思うかもしれないが、材料や機械などさまざまな分野の最新技術を日々生み出している」。心にどう作用するかは十人十色だろうが、産業界の第一線の声は学生にとって少なからず新鮮だろう▼2011年度に始まり、年間およそ1千人が受講してきた。時にはこんな感想も寄せられる。「鉄鋼業は社会の基盤。産業の運命を握っている」。話を聴き、そう実感したという。この7年間の受講者の中には鉄鋼業へと歩みを進めた人も少なくないに違いない。そう感じさせる声だ▼北は北海道、南は九州まで今年度は全国11大学で開催する。講師と同じ年齢になる頃にはとうに2050年を迎えている若人たち。次世代を担う彼らに少しでも響くものがあるといい。

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