自動車の国内生産に変化、「海外向け部品」生産が増加

米の鉄鋼輸入規制が影響

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 自動車の国内生産をめぐる動きが徐々に変化してきた。国内完成車生産計画の上方修正もさることながら、海外向け部品の生産が増加傾向にあり、繁忙感につながっている。為替環境は輸出を促すほどではないが、米国を中心とした保護貿易の動きが、日本からの部品輸出の増加を促している要因にもなっている。

 特殊鋼メーカー首脳などによれば、米国の鉄鋼製品への課税強化のマイナス影響が予想される中「足元は米国内の鋼材市況が急騰しているため、結果的に数量的にはほとんど変わらない」とする。米国内では韓国メーカーなどと競合が予想されるが「日系の現地メーカーを中心に、品質面での優位性を評価されており、現段階では大きなマイナス影響は出ていない」とする。

 さらに「鉄鋼製品では高い関税がかかることになるが、自動車部品として輸出すれば、(参入障壁を)回避できる」との見方もある。こうした流れが日本国内からの部品輸出を促している一つの背景にもなっている。

 一方で「国内で部品生産を増やしたくても、生産余力がない」という自動車部品メーカーも多い。

 最大手のトヨタ自動車の場合、足元の生産内示では4~6月ともにKD(車両原価のうち日本供給部品が6割未満のもの。6割以上のものはCKDとなる)生産を大きく増やす計画。

 向け先別で見ると、北米はそれほどではないが、中国、アジアともに大きく増える見通し。特に5月はグローバルで2万台分近い増産を計画している。

 CKD生産も高い水準が続きそう。特に6月はワンボックス系やSUV系の部品生産が堅調に推移しそう。

 この影響で当初は生産レベルが下がると思われていた4~6月も予想以上の生産水準となりそうだ。