無人機試験 来月から 壱岐空港拠点、3週間予定 米企業が発表

 壱岐空港を拠点に無人航空機利用の実証試験を計画している米国の軍用メーカーは17日、政府に認可されれば5月から約3週間行うと発表した。気象・災害・海洋観測や海難救助などの支援を想定しデータを収集する。東京都内での会見に同席した白川博一市長は「平和利用目的で安全と聞いた。壱岐の活性化に向け意義は大きい」と期待を寄せた。
 試験を計画している無人機大手ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)社は「民間企業では日本初となる、長距離航続が可能な無人機のデモフライト」としている。
 同社によると、使用機種は海上偵察用に開発した「ガーディアン」(両翼の長さ24メートル、全長11・7メートル)。地上から遠隔操作し、最大40時間航続可能。テリー・クラフト副社長は「排他的経済水域(EEZ)が広く、海岸線も長い日本で有効。違法操業や不法入国の監視にも役立つ。4~6機あれば日本全体をカバーできる」と性能を誇示した。
 壱岐市では1機を使用し、1回約5時間の飛行を10回程度行う予定。白川市長は「日本初の試みで壱岐が世界的に注目され、交流人口拡大につながる」と述べた。
 同機はインド海軍も導入を検討中。将来の軍事利用について、クラフト副社長は「日本政府が決めることだ」とした。

壱岐の実証試験で使用される無人機ガーディアンのイメージ

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