洪水ハザードマップ 河川沿い一部が浸水想定 宮前区版14年ぶりに改定 川崎市宮前区

洪水ハザードマップ表紙

 川崎市は昨年の川崎区、幸区に続き市内5区の洪水ハザードマップを14年ぶりに改定した。宮前区は多摩川水系と鶴見川水系の洪水区域などを示しており、両水系の河川が氾濫した際は河川沿いの地域に浸水被害が及ぶと想定。家屋倒壊を想定する区域も示されている。

 今回見直された洪水ハザードマップは、全国的に想定を超える浸水被害が発生していることから、国が新たに示した浸水想定に基づき、改定作業が進められていた。

 想定する最大規模の降雨量を考慮し、多摩川水系の多摩川が2日間の総雨量588mm、平瀬川・平瀬川支川が24時間で410mm、鶴見川水系の矢上川・有馬川が2日間792mmで設定。氾濫した場合の浸水区域と深さを明示している。昨年10月に発生した台風21号の影響により多摩川の氾濫警戒区域を超えた際は、200mmの降雨量が計測された。

 区内の浸水エリアは、平瀬川、平瀬川支川、矢上川、有馬川沿いの地域で浸水すると示された。

 また、新たに家屋倒壊が想定される地域も表示されることになり、浸水が想定される地域で河岸浸食が起きた場合に、流失・倒壊等の危険がある地域が含まれている。区危機管理担当は「今回の改定したマップは想定雨量が前回よりも増えています。確認し防災意識を高めるきっかけにしてもらえれば」と話している。

 新たなハザードマップには避難場所や方法などの参考になるように、浸水時間を示した地図も加わった。情報面も充実しており、避難行動のフローなどが掲載されている。マップは区役所などで配布しているほか、川崎市のホームページで公表されている。

 市は、このハザードマップの使い方などについて説明会を順次開く。宮前区は6月26日(火)午後6時半から区役所4階大会議室、27日(水)午後1時から向丘出張所で開催する。申込みは不要。

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