韓ポスコの権会長、任期残し辞意表明 「若い人材をCEOに」

 韓国ポスコの権五俊会長CEO(67)は18日開催の臨時理事会で辞意を表明した。「100年企業ポスコをつくるため、若くて有能な人材がCEOを務める方が良いだろう」などと辞意理由を説明した。次期会長が選出されるまで会長を務めるが、実質的には任期を2年ほど残しての退任となった。

 辞意表明に伴い、同理事会はCEO承継協議会を来週初めにも開催することを決めた。協議会で候補群を選定した後、社外取締役を中心とした理事会で資格審査の対象を選び、CEO候補推薦委員会で候補群の資格を審査する。

 その後、理事会を再び開催して候補を確定。さらに株主総会を経て、代表取締役会長が正式に決まることになる。

 権会長はソウル大学、ピッツバーグ大学金属工学科(博士)卒業後、86年にRIST(浦項産業科学技術研究院)に入社。技術研究所長などを歴任し、ほぼ一貫して技術畑を歩んだ後、14年3月にポスコ会長に就任した。

 17年1月にはCEO候補推薦委員会および理事会で権会長の再任が内定。構造調整の進展や鉄鋼事業の競争力強化などの経営実績が評価されたほか、権氏が会長に選ばれる際に便宜が図られたなどとする朴槿恵前大統領の親友の崔順実氏が絡んだ現地マスコミ報道についても、同委員会は「根拠がない」と退けている。

 ポスコは今回の意思表明についても政界や検察の圧力などは「全く関連がない」と否定している。

© 株式会社鉄鋼新聞社