崎戸には“お魚バス停”あります 西海市もPRに力

 地元で取れるアラカブなどをモチーフにした長崎県西海市崎戸町の“お魚バス停”。写真共有アプリ「インスタグラム」が若者を中心に人気を集める中、市は「絶好のインスタスポット」とホームページ(HP)などでPRに力を入れ始めた。
 大島大橋を渡って県道を崎戸方面へ進み、市崎戸総合支所を過ぎると、目をギョロリとさせ、口を大きく開けた真っ赤な2匹のアラカブをかたどった「蠣ノ浦(かきのうら)バス停」待合所が現れる。
 同支所や、同町などで運行するさいかい交通の親会社・長崎自動車(長崎市)などによると、“お魚バス停”は全部で4カ所。いずれも1995年度から97年度にかけ、県の補助金を受けた旧西彼崎戸町が、大崎自動車(現在のさいかい交通)のバス停に整備した。繊維強化プラスチック製で、アラカブ3カ所、タイが1カ所。アラカブは旧崎戸町の町魚で、現在は市の魚に指定されている。
 市は新たに発行した観光パンフレット「よりみち」に掲載したほか、HPでもゴールデンウイークを前に今月、「旬の情報」として紹介を始めた。
 設置から約20年。大きな口から雨風が入り込むため、ひさしが設けられた所もあるが、今もランドマークとして親しまれている。高さ約4メートルと最も大きな蠣ノ浦では記念撮影をする観光客の姿が見られるという。
 長崎県内では、諫早市小長井町の“フルーツバス停”が会員制交流サイト(SNS)などで人気。西海市商工観光物産課は「西海を訪れ、地元の魚を食べたり、撮影したり、楽しんでほしい」と期待を寄せている。

2匹のアラカブが連なる蠣ノ浦バス停=西海市

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