「大阪ダービー」は今週末!Jリーグファンでなくても楽しめる4つの見どころ

近年のJリーグにおいて最も激しいライバル関係にあると言えるガンバ大阪とセレッソ大阪。

ともに数多くの日本代表選手を輩出し、ここ数年のJリーグを盛り上げてきた有力チームだ。

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そんな両チームが今週末、J1の舞台で対決する。「大阪ダービー」と呼ばれる誇りをかけた一戦だ。

今回で45回目の対戦となるこのカード。

対戦成績はG大阪から見て23勝8分13敗と大きく勝ち越しているが、直近のゲームである昨シーズンのルヴァンカップ準決勝2ndレグではセレッソ大阪が後半アディショナルタイムに決勝点をあげており、劇的な形で決勝進出を決めた。

すでにG大阪はチケットの予定販売枚数が終了になったことを発表しており、注目度の高さが窺える。

そこで今回は戦術的な話は抜きにして、Jリーグファンではない人でも楽しめる今回のダービーに関する4つの見どころをまとめてみたぞ。

1. 絶体絶命のクルピ監督。C大阪は“恩師“に引導を渡すか

今季のG大阪はどこかおかしい。

レヴィー・クルピが新監督に就任し、若手選手を積極的に起用するなど注目を集めるも、J1ではここまで1勝1分6敗という成績でまさかの最下位。

15失点は全18チームの中で最多であるが、セットプレーから4失点、クロスボールから5失点と守備の部分で大きな問題点を抱えているのは明らかだ。

これ以上負けが続くようであればJ2降格も現実味を帯びてくる。この試合の結果如何で、クルピ監督の解任という事態も十分に考えられるだろう。

一方のC大阪はここまでのJ1で4勝3分1敗で3位につけている。ACLの移動もありタフなスケジュールを強いられているが、ユン・ジョンファン監督が得意とするターンオーバーを敷きながら、あらゆる選手に出場の機会が与えられている。

それゆえに、このタイミングでクルピ監督がかつて率いたC大阪とのダービーを迎えるというのはなんとも不思議な巡り合わせである。

C大阪にとってクルピ監督はいわば恩師のような存在であり、現在にまで続くチームの土台を作った指揮官だ。サポーターとの関係は未だに相思相愛だが、まさかこうした状況で好調の古巣が立ちはだかることになるとは本人も思っていなかっただろう。

クルピ監督自身もダービーの意味合いを理解しており、18日(水)に行われたルヴァンカップの浦和レッズ戦では、今季初めて本格的なターンオーバーを採用。これは週末の大一番を控えてのものであると明言している。

崖っぷちに立つ最下位G大阪に対し、4連勝と波に乗るC大阪。チームの勢いにこれだけ差がある状態で迎えるダービーは非常に稀である。

2. 日本代表の西野朗監督、その視線の先には

急転直下、日本代表の監督に就任することが決まった西野朗氏。

現在、ワールドカップに向けたメンバー編成に東奔西走しており、もちろんこの試合も何らかの形でチェックするはずだ。

過去1年間において、日本代表に招集された両チームの選手は以下の通り。

GK:東口 順昭(G大阪)
DF:三浦 弦太(G大阪)
DF:初瀬 亮(G大阪)
MF:今野 泰幸(G大阪)
MF:倉田 秋(G大阪)
MF:山口 蛍(C大阪)
MF・清武 弘嗣(C大阪)
FW:杉本健勇(C大阪)

東口や山口といった代表の常連メンバーも、新監督の就任により必ずしも「当確」とは言えなくなった。逆に言えば、負傷明けの清武弘嗣にも十分チャンスが出てきたと言えよう。

そして、ひょっとしたら遠藤保仁や柿谷曜一朗にもその扉は開かれるかもしれない。

激しいダービーマッチの中でどの選手が西野監督にアピールするのかは、誰もが気になるところだろう。

3. 相次ぐ負傷者…サプライズ復帰はあるか

序盤ながら負傷者が相次いでいる両チーム。以下にその名前を挙げる。

MF:今野 泰幸(G大阪)
FW:長沢 駿(G大阪)
FW:アデミウソン(G大阪)
DF:田中裕介(C大阪)
MF:ソウザ(C大阪)
MF:オスマル(C大阪)
MF:秋山 大地(C大阪)

G大阪ではエースの一角であるアデミウソンが慢性的な怪我に悩まされており、今季は未だ1試合に出場したのみ。リハビリのため一時帰国しており、ダービーの欠場が決定的に。

また、先日行われたジュビロ磐田戦で好調だったFW長沢駿も左ハムストリングを肉離れ。全治などは明かされていないが、ダービーに間に合うかは微妙なところだ。

清武が復帰したC大阪は、ボランチに負傷者が続出中。その分、山口蛍への依存度も大きくなっており、コンディションの面も心配される。

しかし、このダービーでの復帰が噂される選手もいる。

昨年、一昨年と躍進するC大阪の原動力となったMFソウザは3月27日(火)に右ハムストリング筋を損傷したが、全治3週間というリリースが出ていた。つまり、そろそろ復帰してもおかしくない頃だ。

また、G大阪では今野の動向にも注目が集まっている。今野のコンディションについてはリリースが出ていないが、ひょっとしたらダービーに向けて急ピッチで調整を続けているのかも…。

いずれにしても、負傷者の穴をどの選手が埋めるのか、そしてサプライズ復帰はあるのかも注目点の一つだ。

4. まさかの偶然…あるか、「同姓同名」による直接対決

激しいライバル関係にある両チームには、なんと同じ名前の選手が在籍している。

そのプレーヤーの名は「松田陸」。ともに右サイドバックを本職という共通項まであるから驚きだ。

C大阪の松田陸は言わずとしれた双子のサッカー選手。C大阪に加入した2016年からレギュラーに定着し、ユン・ジョンファン監督からの信頼も高い。

そして、もう一人の松田陸はこの春に高校を卒業したばかりの18歳。今季はここまでU-23の一員としてJ3で5試合に出場している。

「陸」という名前は全国的にも少数であるはずだが、同姓同名の選手がこれだけのライバル関係を持つ両チームにいるというのはきわめて珍しい。仮に両者が同じピッチに立てばかなりの話題になり、そのマッチアップにも注目が集まるはず。

そうしたちょっとした“奇跡“に期待してみるのもなかなかおもしろいかもしれない。

J1第9節の大一番、G大阪対C大阪の試合は21日(土)午後7時キックオフ予定!

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