中日、逆転で連敗止めた 今季最多20安打に森監督「昨日まででは考えられない」

中日はモヤ(中央)の活躍で連敗を5でストップ【写真:荒川祐史】

一度は逆転を許したが、7回に8安打を集めて再逆転

 5連敗中だった中日が今季12球団最多となる20安打で11得点を奪い、大乱戦を制した。20日、ナゴヤドームで行われた広島戦。2点リードの7回に5点を奪われて逆転されたものの、その裏に打線が爆発。一挙に7点を奪って再逆転して連敗をストップ。試合後、森繁和監督は「勝ったから色んなことが反省として言える。よく繋いで、これまで苦しんでいたところで(点が)入れば、あれだけ入る。昨日まででは考えられなかった。ウチは連敗していたから、この1勝は大きい」と振り返った。

 激動の7回だった。2点リードで迎えた7回表、先発の小笠原がつかまった。先頭の堂林の飛球をアルモンテ、大島がお見合いして二塁打とされると、そこから一気に崩れた。安部の犠打は内野安打となり、代打・鈴木に四球を与えて満塁に。田中、菊池に連続適時打を浴び、そこに京田の失策も絡んで逆転。代わった伊藤準がバティスタに犠飛を許して、この回5点を奪われた。

 敗色ムードが漂っていたその裏の攻撃。中日打線が火を噴いた。1死から、1軍昇格したばかりの4番モヤが、この日3安打目となる左中間を破る二塁打で出塁。2死となってから高橋が左中間への適時打を放つと、ここから福田、代打・藤井、代打・亀澤、大島、京田と怒涛の6連打で5点を奪って試合をひっくり返した。さらに2死満塁でこの回2度目の打席に立ったモヤが左前適時打を放って、さらにリードを広げた。

 1軍に昇格したモヤは、来日後に初めてプレーしたという一塁手でスタメン起用。守備も無難にこなし、バットの方では、いきなり5打数4安打3打点と大爆発した。4番に据えた指揮官は「広島も打席に立っていないから分からなかったんだと思うけど、こればっかりは続くわけじゃないとは思う。ヒットが出たから波に乗っていけたと思うし、チームも乗っていけたんだと思います」とした。

 ただ、課題が多く残った試合だったのも事実。7回に5点を奪われたことで乱戦になり、指揮官は「今日も取れるところで取れず、出しちゃいけないところで四球を出したり、ミスは出ている。勝ったからコメントとして出せるけど」と苦言も忘れなかった。開幕3連戦で3連敗を喫していた広島に初勝利。明日以降に向けて、森監督は「相手どうこうを言っている場合ではない。その日その日、1打席1打席を大事にしてもらわないといけない」と語っていた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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