長崎原爆病院の新本館が5月2日開院 個室増、がん治療充実 医療関係者らに公開

 日赤長崎原爆病院(長崎市茂里町、平野明喜(あきよし)院長)は21日、3月末に完成した新本館の内覧会を開き、病室など地上15階建ての院内が医療関係者や報道陣らに公開された。5月2日に開院、7日から外来患者を受け付ける。
 新病院は現病院の老朽化などに伴い、2016年2月から建設工事が進められていた。本館(延べ床面積約2万6400平方メートル)と、現病院の建物を解体した跡に20年3月に完成予定の新別館(地上4階、約4700平方メートル)で構成する。本館と新別館を合わせた延べ床面積は現病院の約1・5倍に広がり、震度7まで耐えられる。総事業費は115億円。
 人口減少を踏まえ、病床数は315床とこれまでより35床減るが、このうち17床だった個室は本館完成で88床に増えた。新別館完成時には106床になる。
 がん治療環境も充実を図った。外来患者が抗がん剤治療を受けられる「外来化学療法室」を8床から20床に増やした。20年4月からは、がんの痛みを和らげる「緩和ケア病床」18床の運用も始める予定。
 内覧会に先立つセレモニーには約50人が出席。平野院長が「病院が地域住民のお役に立てるよう頑張りたい」と決意を述べた。

手術室。長時間にわたり手術する医師に配慮し、風の強さを緩和する空調機器も備えた=長崎市、日赤長崎原爆病院新本館
高品質のベッドが置かれた個室「特別室」。浴室もあり、今後応接セットも配置される

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