〔阿蘇山〕現時点で火山活動の活発化は認められず あす24日から火口見学も再開へ(4/23)

福岡管区気象台は23日16:30、「阿蘇山 火山の状況に関する解説情報(臨時)第53号」を発表しました。熊本県の阿蘇山では、孤立型微動の多い状態が続いているものの、その他の観測データに特段の変化がないことから、現時点で火山活動が活発化する兆候は認められないとしています。
気象庁では、2017年2月7日に発表した噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)を継続しつつ、阿蘇山では火口内で土砂や火山灰が噴出する可能性があるほか、火口付近では火山ガスに注意するよう呼びかけています。

阿蘇山では、火口直下のごく浅い場所で発生する継続時間の短い孤立型微動の回数が、2月までは1日あたり50回前後だったのが、3月1日以降増加し、3月4日には1049回発生しました。その後も多い状態が続いているものの、3月10日以降は1日あたり200~400回程度で経過しています。火山性地震はやや多い状態、火山性微動の振幅は小さい状態で経過しています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は3月以降、1日あたり500~1300tと概ねやや少ない状態が継続しています。地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
なお、阿蘇火山防災会議協議会では、2月28日に解除していた、火口1km圏内の立入規制を、3月3日から再度実施していましたが、あす24日08:30に解除し、火口見学を再開すると発表しました。なお、ガス濃度や山上の天候等により規制となる場合もあるとしています。

◆阿蘇山:最近の火山活動の状況(都道府県名の記載ない市町村はすべて熊本県)
<2014年>
・03/12 レベル1(活火山であることに留意)に引下げ
・08/30 現地調査でごく小規模な噴火を確認 レベル2(火口周辺規制)引上げ 火口周辺立入規制
・11/25 小規模な噴火 西は熊本市、東は大分県豊後大野市(火口から約40kmの範囲)まで降灰を観測、火口周辺では多量の降灰 以降翌年05/21まで断続的に噴火続く

<2015年>
・05/08 規模の大きな火山性地震、南阿蘇村で震度3を観測
・08/08 05/21以来のごく小規模な噴火
・09/14 09:43 噴火 火口上2000mまで噴煙上昇 火口周辺の広い範囲に噴石が飛散 噴火警戒レベル3(入山規制)引上げ 以降10月23日まで噴火継続
・11/24 14:00 噴火警戒レベル2(火口周辺規制)引下げ

<2016年>
・02/17~05/01に断続的に噴火
・04/14 21:26 熊本地方を震源とするM6.5の地震
・04/16 01:23 熊本地方を震源とするM7.3の地震
・05/01 05:45 ごく小規模な噴火、火口縁上300mまで噴煙上昇
・10/04 火山性微動の振幅やや大きくなる
・10/07 10:00頃から火山性微動の振幅さらに大きくなる
    21:52 噴火 阿蘇市一の宮(中岳第一火口の北東側8km)で降灰観測 古坊中観測点(火口の西1.2km)で空振観測
・10/08 01:46 爆発的噴火 火口から高さ11000mまで噴煙上昇 香川県まで降灰観測 火口周辺の設備に大規模被害
    01:55 噴火警戒レベル3(入山規制)引上げ
・12/20 14:00 噴火警戒レベル2(火口周辺規制)引下げ

<2017年>
・02/07 14:00 噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)引下げ

<2018年>
・02/28 2014年8月末以来、約3年半続いていた火口周辺立入規制を解除
・03/03 08:25 気象庁が火山の状況に関する臨時解説情報発表、火口周辺立入規制

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