中日モヤ大活躍で外国人枠の使い方が悩みに? ビシエド復帰なら熾烈な争いに

中日のダヤン・ビシエド、スティーブン・モヤ、ソイロ・アルモンテ(左から順)【写真:荒川祐史】

20日に初昇格したモヤは3試合で13打数9安打、打率.692をマーク

 中日の外国人たちが凄まじい活躍を見せている。20日から本拠地ナゴヤドームで行われていた広島3連戦。第1戦から1軍に初昇格したスティーブン・モヤ外野手が、いきなり4安打3打点と大暴れして勝利に貢献すると、翌日の第2戦には8回に来日初本塁打となる決勝のソロ。2安打1打点で連日のお立ち台に上がった。

 これだけで終わらないから、周囲も驚いた。22日の3戦目は1打席目からヒットを放つと、3打席連続で安打を放った。3戦連続のマルチ安打とし、3試合で13打数9安打、打率.692と驚異的な成績を残した。5連敗中だったチームの連敗を止め、2連覇中の王者・広島に3タテを食らわせる原動力となり、一躍、脚光を浴びる存在となった。

 モヤに限らず、今季の中日、助っ人外国人の働きがとにかく際立っている。中日の外国人の現時点での成績は以下のようになっている。

○ソイロ・アルモンテ
20試合82打席75打数27安打4本塁打16打点 .360
12三振7四球 出塁率.415 OPS1.001 得点圏打率.579

○ダヤン・ビシエド
16試合65打席58打数15安打3本塁打9打点 .259
7三振6四球 出塁率.323 OPS.806 得点圏打率.167

○スティーブン・モヤ
3試合13打席13打数9安打1本塁打4打点 .692
0三振0四球 出塁率.692 OPS1.769 得点圏打率1.000

○ディロン・ジー
4試合4先発0勝3敗0ホールド0セーブ 2QS 2完投 防御率4.00
27回111打者26安打5本塁打16奪三振9四死球14失点 WHIP1.22

○オネルキ・ガルシア
4試合3先発3勝0敗0ホールド0セーブ 2QS 0完投 防御率1.86
19.1回80打者12安打1本塁打22三振12四死球4失点 WHIP1.14

○ライデル・マルティネス
1軍登板なし
2軍3試合1勝0敗0セーブ 防御率0.75 
12回43打者8安打2本塁打9三振1失点

中日のオネルキ・ガルシア(左)とディロン・ジー【写真:荒川祐史】

アルモンテは打率リーグトップ、ガルシアは無傷の3連勝

 モヤとともに新加入したアルモンテは一時、得点圏打率6割超をマークする圧倒的な勝負強さを発揮し、打率.360はリーグトップ。16打点はリーグ2位、4本塁打も5位タイとなっており、打撃主要3部門全てで上位に位置している。投手でもガルシアが3試合に先発して無傷の3連勝。4試合に先発したジーは未勝利ながら、2試合に完投しており、これはセ・リーグトップだ。

 モヤが1軍昇格となったのは、主砲のダヤン・ビシエドが米国市民権取得手続きで渡米したため。ビシエドの再来日後、どのように外国人を起用することになるのかは、早くもファンの間でも注目され始めている。ジーが22日に出場選手登録を抹消され、外国人枠に1つ空きが出来た。そこをどう活用するのだろう。

 アルモンテ、ビシエド、モヤの野手3人、ガルシアの投手1人とする策が有力だろうが、3人を同時に起用するには、それなりに大きなリスクが伴う。守備面の不安だ。モヤは広島との3試合、ビシエドの抜けた一塁を守ったが、本職は外野手。ただ、キャンプなどの動きを見る限り、開幕後に不安を露呈したアルモンテの守備と同等か、それ以下と言える。

 中日の外野には、中堅に大島洋平、右翼に平田良介がいる。ビシエドを一塁に置き、大島か平田を外して(大島は外すことはないだろうが…)アルモンテ、モヤの2人を外野に回すのは、あまりにリスキー。となると、1人が代打要員か。。支配下登録したばかりのライデル・マルティネスを加えて、野手2人、投手2人の体制とするのも1つの手か。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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