仏向少年広場 5年ぶりに地域開放 規模縮小も「住民の熱意」実る 横浜市保土ケ谷区

再開放された広場=写真右=でスポーツチーム関係者らが出席し式典が開かれた=同上

 耐震補強工事のため2013年春から閉鎖されていた仏向西の仏向配水池に隣接する少年広場の使用が4月から5年ぶりに再開された。広場は学童野球やサッカーチームが練習拠点としていたが、工事期間中は近隣の小学校などを転々としながらチーム運営をしてきただけに、改修後、敷地は6分の1と狭くなったものの関係者は「拠点が確保できたことは大変ありがたい」などと話している。

 仏向配水池は保土ケ谷区と旭区内およそ3万戸に浄水を送水している横浜市水道局の施設で、その敷地の一部が1969年から保土ケ谷区が借り受ける形で広場として地域に開放されてきた。

 開放当初から地元の少年野球チームなどが練習場所として活用してきたほか、地域住民の利用も多かったという広場だが、12年夏に「耐震工事のため翌年春から使用ができない。グラウンド部分は工事完了後に水道局が活用を検討する」という説明が区から広場の管理運営委員会に寄せられた。

認識にズレ

 しかし地元側は工事完了後にはこれまで同様に使用ができると認識。工事が進むにつれ「完了後には広場が使えなくなる」という声が地域内で出始め、困惑した関係者は地元選出の国会議員などに相談し、区長に継続利用を求める要望を提出したほか、署名活動を展開し約2千筆の賛同を集めた。

地域の思いが行政動かす

 市水道局資産活用課によると当初から工事完了後には用地を有償貸付する計画だった。しかし地元の熱意を受け16年4月から水道局と区役所、地元の3者で検討を重ねた結果、同年7月末には用地の一部を地域に再開放する方向性が示された。

 土地の一部が民間事業者に有償貸借されるため、工事前に約6千平方メートルあった広場は約1千平方メートルに縮小される形だが、スポーツ団体関係者は「拠点が確保できたことは本当にありがたい」と口を揃えた。

 少年野球チームやサッカーチームの子どもたちも参加し7日に行われた式典で、区担当者は「面積的には狭くなるが、地域の要望に応えることができ嬉しい」と話し、広場を管理する運営委員会の中尾親志代表は「多くの協力があって実現しての再開放。大切に使っていきたい」と話した。

 行政と地元との間を取り持った青柳陽一郎代議士は「一生懸命練習して世界へ出て活躍して、『こどもの頃は仏向少年広場で練習した』と言ってもらえれば」と子どもたちの活躍に期待を寄せた。

 広場は地域住民の利用も可能で、有償貸与用地にはテニスクラブが開業する。

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