きんじろう号が行く 県内初、金融移動店舗車を導入 南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町

テープカットする沼田組合長(中央)ら役員

 かながわ西湘農業協同組合(JAかながわ西湘・沼田照義代表理事組合長)がJAグループとして県内初の金融移動店舗車両を新たに導入した。職員が乗車して管内17カ所を2週間に1度のペースで巡回する。

 JAでは全国的にも「農村地域への金融サービス提供と地域貢献」を掲げ、中山間地への金融移動店舗の配備を進めてきた。

 JAかながわ西湘では、11年前の合併以前から店舗統合を進めてきたため「一部地域で不便が生じている」。そこで中山間地域の利便性向上や災害時の金融機能維持を念頭に、金融移動店舗車の導入検討を進めてきた。

 今回導入した車両は購入費約2千万円の4分の3を農林中央金庫(本店・東京都千代田区)が助成。2トン車の荷台に金融窓口の機能となる窓口端末機や印鑑照合用機器などを搭載。ベテラン職員が常駐し、預金の出入金や公共料金納付、通帳記帳、振込などの業務に対応しながら、利用者の身近な要望にも可能な限りこたえていく考え。

 4月13日には小田原市鴨宮のJA本店で車両運行に向けた安全祈願祭が行われ、参列者らを前に沼田組合長が「生活基盤の一助となれば」とあいさつした。

 車両にはマスコットキャラクターの「西湘きんじろう」やミカンやキウイ、米などの特産品のイラストをデザイン。窓口業務を担うJA40年勤務のベテラン竹内恵子さんは「各地に出向き最寄りの支店の橋渡しもしていきたい」と話していた。

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