島原藩領の様子伝える冊子 松平家が島原市に寄贈

 長崎県島原市は24日、松平家の初代島原藩主忠房から最後の13代藩主忠和までの藩領の様子が記された冊子12点を第20代深溝松平家当主・故松平忠貞夫人の松平永子さん(84)=東京在住=から寄贈されたと発表した。古川隆三郎市長が19日上京し受け取った。
 同市教委社会教育課の吉田信也学芸員は「島原藩に関する史料は全国に散らばっており、総合的に調査する上で貴重な史料」としている。
 冊子の大きさは、11冊が20センチ×13センチで、1冊が縦20センチ、横9センチ。いずれも備忘録で、吉田学芸員は現段階で書かれた時期と著者は不明としている。
 同課によると、冊子の一つ「島原大概様子書(がき)」は、第2代藩主忠雄の時代に行った検地を基に作成された島原半島内33村および町方の人口や田畑の石高、寺社や旧跡などが記されている。「御礼次第書(がき)」では、年始や節句などで家臣や領内の町人、寺社が藩主へあいさつ(拝謁)する際、序列や詰める部屋が定められており、第4代忠刻、第7代忠馮のものが記されているという。
 冊子は島原図書館内の肥前島原松平文庫に保管し、市教委で精査する。

松平永子さんが島原市に寄贈した「島原大概様子書」(前列中央)など12点の冊子

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