クスノキに見守られて

 「ね-、こっちにボールばパスしてよ-」
 長崎市西小島1丁目の大徳寺公園周辺。日も傾き始めた夕暮れ時、大きなクスノキの近くで、サッカーや鬼ごっこなどを楽しむ子どもたちのにぎやかな声が響き渡った。
 青々とした葉を茂らせたクスノキは樹齢約800年以上の「大徳寺の大クス」。県指定天然記念物になっており、今も昔も変わらずに地元住民の営みを優しく見守っている。
 夕飯時が近づく午後5時すぎ。1人、そしてまた1人と子どもたちが家路を急ぐ。『また、遊びに来んね-』。クスノキの声が聞こえてきそうだ。

今も昔も変わらず地域を見守り続ける「大徳寺の大クス」=長崎市、西小島1丁目

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