丸一鋼管、「文楽」普及に〝ひと役〟 若者の観劇に「支援寄金」創設

 丸一鋼管は、社会貢献活動の一環として大阪発祥の古典芸能「文楽」の普及を支援する。NPO法人「人形浄瑠璃文楽座」と、関西の芸術・文化を支援する公益財団法人「アーツサポート関西(ASK)」を通じて、大阪など関西に在学・在勤・在住する30歳以下の人がワンコイン(500円)で文楽を観劇できる「丸一鋼管文楽支援寄金」を創設した。

 23日夕、大阪・日本橋の国立文楽劇場で行われた発表会見で丸一鋼管の鈴木博之会長兼CEOは「2年間、寄金を通じて文楽の普及に役立てることを光栄に思う。当社は利益の一定割合を拠出して社会貢献していこうと取り組みを進めているが、特に(営業活動している)地域に根差した貢献活動を当社の企業責任として果たしていきたい」と述べた。

 ASK助成事業の『そうだ、文楽に行こう。ワンコインで文楽U―30』の支援寄金(2カ年合計500万円)は2014年から実施されており、1期目は京阪神ビルディング、2期目は岩谷産業が寄金を創設。これまでに約2千人が観劇した。丸一は3期目(18~19年度)になる。

 会見では文楽座理事長で三味線奏者の竹澤團七氏、同理事で人形遣いの吉田玉助氏、ミステリー作家で「文楽応援者」の有栖川有栖氏、ASK理事長の堀井良殷氏が出席。鈴木会長から、五代目襲名披露公演中の吉田玉助氏の操る人形「本朝廿四考・山本勘助」の手に目録が渡された。

 丸一鋼管は、4月からの新中期経営計画で「社会貢献活動の強化」を進めており、ベトナムでの眼科無料診断や大阪・吹田の国立循環器センター入院患者の介護家族宿泊施設支援などを行っている。

 同寄金を通じての観劇申し込みは専用ウェブサイト(http://www.bunrakuza.com/onecoin/)。

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