古河電工、車用鋼板溶接で新技術 コスト削減、強度向上へ

 古河電工は24日、自動車用亜鉛めっき鋼板の新溶接技術を開発したと発表した。新技術の「エル・シー・キューブ・ウェルディング」は自動車用亜鉛めっき鋼板を隙間なく重ね、ファイバレーザでライン状に溶接するもの。光のエネルギー密度や精度を向上させるノウハウを生かして最適なビームモードを実現。溶接欠陥を大幅に抑えた。車体の製造コスト削減や強度向上に貢献する。

 自動車の車体などに用いられる亜鉛めっき鋼板は、鋼板の融点に近い温度で表面のめっきが蒸発する性質がある。密着させてファイバレーザで重ね溶接をすると溶接不良が発生するため、現在は鋼板間に隙間を設けて亜鉛蒸気を除去する手法が一般的となっている。その場合は製造工程や部材形状が制約されることなどが課題。新技術では隙間なく亜鉛めっき鋼板を重ねて直線状にファイバレーザで連続接合することが可能になるため、車体の強度やデザインの自由度向上に貢献できる。

 古河電工は情報通信で培った光ファイバ技術を生かし金属板などを溶接・切断するレーザの発生装置を手掛けている。今回開発した新技術は加工機向けのレーザ発生装置での事業化を目指しているもの。25日に東京ビッグサイトで開幕する国際ウェルディングショーに出展する。

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