マイナンバー「個人番号カード」交付率10.9% 長崎県内でも浸透せず

 マイナンバー制度を巡り、長崎県内で「個人番号カード」を交付された人の割合は3月末現在で10・9%にとどまっていることが25日までに県への取材で分かった。全国平均もほぼ同じ割合。マイナンバー法施行から2年半がたった今も、カードが浸透していない実態が浮き彫りになった。県は市町に周知強化を呼び掛ける。
 同法は2015年10月に施行。住民票を持つすべての人に12桁のマイナンバー(個人番号)を割り当て、税、社会保障などの手続きで必要になる。
 個人番号カードは希望者に交付され、顔写真入りでICチップ付き。行政機関で身分証に使えるほか、長崎、佐世保、大村、西海4市ではコンビニで住民票の写しや戸籍謄本などを取得するサービスに利用できる。17年に運用が始まった国のサイト「マイナポータル」では、子育て関連の行政手続きに同カードが必要となっている。
 県市町村課によると、3月末現在で県内で交付された人は15万2223人で、住民基本台帳人口139万2950人(17年1月現在)の10・9%。市町別の交付率は南島原市、雲仙市、小値賀町、波佐見町が6%台と低かった。長崎市は11・6%。最高でも佐世保市の13・8%にとどまった。
 同課は「住民にカードが必要という意識をなかなか持ってもらえていない」と分析。「カードのメリットは徐々に増え、今後カードを前提とした行政サービスが増える見込み。市町に周知するよう呼び掛けたい」としている。

市町別の個人番号カードの交付率

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