被爆体験者 来月提訴へ 敗訴確定の28人

 被爆者健康手帳の交付を求めたが、昨年12月の最高裁判決で敗訴が確定した「被爆体験者」387人のうち28人が、5月31日に長崎地裁へ提訴する方針を固めた。
 28人は今月17日までに、手帳と、がんなど特定疾病と診断されれば手帳に切り替わる第1種健康診断受診者証の交付を長崎市と県に申請していた。このうち、25日までに第1種健康診断受診者証の交付が却下されたため、却下処分取り消しを求めて再び長崎地裁に提訴する。手帳の申請手続きは継続中で却下され次第、再提訴する方針。
 被爆体験者は、第2種の受診者証しか持たず、手帳に切り替わることはない。28人は「第2次全国被爆体験者協議会」を構成。同協議会の岩永千代子代表(82)は「私たちは十分被爆者であるということを訴えたい」と話した。

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