【第5回関西高機能金属展】最先端の金属素材、加工技術が集結 5月9~11日、インテックス大阪で開催

 鉄鋼をはじめ、アルミニウム、銅、チタン、マグネシウムなどの材料や加工機械、分析・検査機器、リサイクル技術など、高機能金属に関するあらゆる技術が一堂に会する西日本最大級の金属産業展である第5回関西高機能金属展(通称・メタル大阪、主催・リードエグジビションジャパン)が5月9~11日、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催される。高機能合金など最先端の金属素材・製品、金属加工・リサイクル、検査・測定・分析の各種装置や加工技術が集結する。

 リードエグジビションジャパン主催の専門展「関西高機能素材Week」を構成する展示会の一つ。同専門展は毎年、東京と大阪で年2回開催している。今回は高機能金属展のほか、高機能プラスチック展、接合・接着EXPO、高機能フィルム展、高機能セラミック展、初めて開催される高機能塗料展の全6展示会が同時に開催される。毎回出展社数は増加しており、昨年は266社が出展。今年は過去最多となる320社(ともに同時開催展示会を含む)が出展する予定となっている。

 高機能金属展には毎回、メーカーの研究・開発、設計・製造、品質管理、購買の担当者や、自動車、産業機械、電気機器など金属ユーザー側からも多数来場。鉄鋼・非鉄・流通など金属産業を網羅した商談展示会として、業界に認知されている。

 今回は、山陽特殊製鋼、オリンパス、東洋鋼鈑などの各種メーカーなどが出展。また、本展示会の協賛業界団体である日本アルミニウム協会、日本伸銅協会、日本チタン協会(新日鉄住金、高周波熱錬、UACJ銅管らと共同出展)、日本銅センター、日本マグネシウム協会(日本製鋼所らと共同出展)も素材や団体の活動内容などをPRする。

 同展示会では期間中、各種材料の最新動向を取り上げた専門技術セミナーが同時開催される。高機能金属展では、3日間で計10テーマのセミナーが行われる予定(別表参照)。また、同時開催される接着・接合EXPOの専門技術セミナーでは、神戸製鋼所技術開発本部 自動車ソリューションセンターマルチマテリアル接合研究室の鈴木励一室長が「既存異種金属接合法の実態と新異材接合法の特徴」とのテーマで講演する。事前申込制で、受講料は無料。

 昨年の「関西高機能素材Week」来場者は1万2636人。今年は期間中に2万人の来場者が見込まれている。

 なお、主催者のリードエグジビションジャパン(本社・東京都新宿区、社長・石積忠夫氏)は本展示会の開催期間中、今年12月に開催される「高機能素材Week」の東京展(12月5~7日、会場・幕張メッセ)および来年5月の関西展の出展申込を開始する。事務局では両展示会への出展希望者に対し積極的に相談に応じ、早期の出展申込みを呼びかけていく方針だ。

 無料招待券の申込みや出展資料請求等の問合わせ、展示会最新情報の確認などは、ウェブサイト(http://www.metal-kansai.jp/)で行うことができる。

山陽特殊製鋼/高機能ガスアトマイズ粉末で市場創生/3Dプリンター分野もいち早く対応

 山陽特殊製鋼は、真空溶解・不活性ガスアトマイズの粉末製造設備を保有し、様々な分野の需要家に高機能金属粉末製品を提供している。また、独自の固化成形技術を活用したスパッタリングターゲット材やクラッド材などの粉末成形品なども製造し、研究開発の最前線から製造現場に至るまで幅広く高機能材料を提供している。

 同社は低炭素かつ偏析のほとんどない均一な組成の金属粉末を製造し、高純度が求められる電子材料をはじめ幅広い分野の需要家から高い評価を受けている。また、量産品から小ロットの試作・開発まで対応できる体制をとっていることも評価は高い。

 3Dプリンターの分野にも早くから対応。同社の球状金属粉末は、流動性・充填密度が高いことから積層造形性に優れており、この用途にも適している。

 「次世代3D積層造形技術総合開発機構」(TRAFAM)にも参画しているほか、3Dプリンター実機を導入するなど研究開発を推進。顧客の3D造形開発を、材料特性データ提供でもサポートする。また、ディスクアトマイズ法による高融点金属の高真球粉末製造にも成功している。

 最新鋭の第2粉末工場には、高純度真空溶解ガスアトマイザー2基と最新鋭のディスクアトマイザー1基を導入し、3Dプリンターなどによる金属粉末市場拡大と電子材料分野を中心に年々高まっている高信頼性・高純度化ニーズに対応するとともに、新たな市場創生に注力する。

オリンパス/素材メーカー向け検査機器出展/蛍光X線分析計、金属成分を迅速・高精度で

 オリンパスは、金属および各種素材メーカー向け検査機器・ソリューションを提案。X線分析装置、超音波フェーズドアレイ探傷器、工業用顕微鏡、工業内視鏡などを出展する。

 ハンドヘルドタイプの蛍光X線分析計「VANTA」シリーズは、金属の成分分析を非破壊で迅速・高精度に行える携帯型の分析計。独自の新技術で、従来機種に比べて検出性能を向上させた。様々な合金品種と番号を数秒で判定することができる。ステンレスやアルミニウム合金、ニッケル合金、銅合金、貴金属などの成分分析に対応している。

 めっき厚測定機能では、数ナノメートルから数十マイクロメートルまでの厚さを非破壊で測定可能。RoHS指令などで規制されている鉛やカドニウムなどの有害物質のスクリーニングにも利用できる。

 超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX」は、材料内部の欠陥を非破壊・リアルタイムで高精度に画像化する。鋳物の巣や割れ、溶接部、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)のはく離、ボイドなど、幅広い用途での検査に対応する。

 3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5000」の4Kスキャンテクノロジーは、急峻な斜面形状とナノに迫る微小段差の検出力を強化。PEAKアルゴリズムは、従来に比べ4倍の高速かつ高精度の測定を実現した。

 その他、同社のビデオスコープ史上最高の画質を実現した工業用ビデオスコープのフラッグシップモデル「IPLEX NX」も展示する。

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