新日鉄住金、製鉄所の落鉱回収を効率化

「無人ブルドーザー」開発、機械化で作業負担軽減

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 新日鉄住金は、製鉄所の現場作業を効率化するため、無線で遠隔操作する無人ブルドーザーを開発した。製鉄所内の搬送過程でこぼれ落ちた鉄鋼原料を回収・清掃する「落鉱回収作業」に活用する。これまで人手に頼ってきた同作業を機械化し、作業にかかる所要時間の短縮や作業負担を軽減する狙い。機械化で効率向上を図るロボティクス分野の取り組みとしても注目されそうだ。

 同社の設備・保全技術センター(PFC)と、製鉄所の重機開発で実績のある産業機械メーカーのヤマモトロックマシンが共同開発した。すでに鹿島、君津、名古屋、八幡の国内4製鉄所で実用化し、計9台が稼働している。今年度内にこれらの製鉄所で導入台数を増やすことも検討する。

 開発したブルドーザーは車高が低いため「低床ブル」と呼ぶ。車高の制約から一般の重機では進入が難しい狭隘な場所に堆積した原料も回収できる。製鉄所用の特殊仕様として構成部品などを最適化しコンパクトな車体構造と作業能力を両立した。

 作業者は無線のリモコンで低床ブルを操作し、堆積した原料を押し出したり、バケットにすくい上げて収集する作業などを行う。スコップを使った従来の人力作業に比べて作業負担が少なくて済む上、作業にかかる所要時間は従来の1日から半日に大幅な短縮を実現した。

 人手を介さず作業できるため、作業の安全性を高める効果も見込む。

 新日鉄住金は低床ブルの導入を進める一方、搬送過程で原料が落下すること自体を抑制する対策も並行して進めている。

 新日鉄住金は、少子化に伴う将来の担い手不足に備える上でも製鉄所の付帯作業の効率化は重要とみており、今後もロボティクス分野の技術開発に注力する。あらゆるものがネットワークにつながるIoTなど先端IT(情報技術)の急速な進歩を踏まえ、必要に応じて社外の技術も積極活用する。