大林組と川崎重工、水素100%発電の熱電供給を世界初めて市街地で達成

NEDOの実証事業

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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)はこのほど、大林組と川崎重工業が市街地における水素燃料100%のガスタービン発電による熱電供給を世界で初めて達成したと発表した。NEDOの実証事業で、兵庫県の神戸ポートアイランドに設置した実証プラントから水素のみを燃料に近隣4施設への熱電同時供給を実現した。

 本事業は「水素社会構築技術開発事業/大規模水素エネルギー利用技術開発/水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業」で15年度から18年度まで実施される。水素コジェネレーションシステム(CGS)の開発を川崎重工が、統合エネルギーマネジメントシステム(EMS)の開発を大林組と共同研究者の大阪大学が行う。

 川崎重工は水素専焼または水素天然ガスの混焼で安定した燃焼を実現する技術を確立するほか水素と天然ガスの燃焼が可能な1MW級のガスタービンを設置し運転試験により出力、回転数、排気温度、圧力などの各種データを取得して運転や運用の安定性を確認する。また、大林組らは電気、熱、水素を総合管理して経済性と環境性を両立できるEMSを確立する。

 昨年12月に1MW級水素ガスタービン発電設備「水素CGS」の実証プラントを神戸ポートアイランドに完成。今年1月から試運転を開始した。水素の専焼も混焼も可能な設備で試験を通じて燃焼安定性や運用の安定性を確認した。また、試運転では水素CGSから発生した熱や電気を中央市民病院、ポートアイランドスポーツセンター、神戸国際展示場、ポートアイランド処理場に供給するための基礎的な試験を行い、地域コミュニティ内でのエネルギーの最適制御システムの動作を検証した。

 今月には水素のみを燃料に使用した運転を行い、中央市民病院とポートアイランドスポーツセンターの2施設に2800kWの熱を、もう2施設を加えた4施設に計1100kWの電力を供給。水素のみでの実供給における各機器とシステムの性能を評価すると共にシステム全体が問題なく稼働することを確認した。今後も引き続き実証試験を進め、季節変動による水素ガスタービンの性能変化やエネルギー制御における最適な熱電併給バランスに関するデータを取得していく方針。