〔霧島連山・硫黄山〕山の西側の噴気域からごく小規模な噴火発生(4/26)

福岡管区気象台と鹿児島地方気象台によると、26日18:15頃、宮崎・鹿児島両県にまたがる霧島連山の硫黄山でごく小規模な噴火が発生しました。噴煙は200m以上のぼりましたが、噴火に伴う空振は観測されておらず、火孔周辺に大きな噴石の飛散も確認されていないということです。なお、今回噴火したのは、硫黄山の西側500m付近(県道1号線付近)の噴気域で、今月20日夕方頃から新たな噴気の発生が確認されていた場所でした。
同気象台は、霧島山(えびの高原(硫黄山周辺))に火口周辺警報(噴火警戒レベル3 入山規制)を継続し、硫黄山から概ね2kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石・火砕流に警戒、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)に注意するよう呼びかけています。

◆霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の最近の火山活動の状況
<2013年>
・12月頃より火山性地震が時々発生。
<2014年>
・08/20 継続時間が約7分の火山性微動が発生。この周辺で火山性微動を観測したのは初めて。
<2016年>
・12/06 噴火警戒レベル導入運用開始。
・12/12 11:00過ぎから火山性地震が増加。11:40、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。
<2017年>
・01/13 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。
・04/25 硫黄山周辺の一部の観測点で傾斜変動を観測。噴気の量も増加。
・05/08 東京大学地震研究所の現地調査により、硫黄山火口内で噴出物を確認。
・05/09 19:20、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。
・09/05 13:29、硫黄山付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が発生し、えびの高原でわずかに身体に感じる揺れを観測。火山性地震も14:00までの1時間に50回観測される。
・09/08 噴気が稜線上300m以上に上がる。9月中旬以降は稜線上概ね100m以下に低下。
・10/31 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

<2018年>
・01/19 02:30頃、傾斜変動を伴う火山性微動が発生、火山性地震も一時的に増加。
・02/15 07:51と11:52に浅い所を震源とする振幅の小さな低周波地震が発生。その後、火山性地震も増加傾向に。
・02/20 11:40、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。
・04/19 15:39頃、噴火発生、火口周辺に噴石が飛散。硫黄山での噴火は江戸時代の1768年(明和5年)以来250年ぶり。15:55、噴火警戒レベル3(入山規制)に引上げ。
・04/20 06:30頃、前日からの噴火は停止するも複数の火孔から噴気や泥水の噴出を確認。16:30頃から、硫黄山西側(県道1号線付近)で新たな噴気を確認。
・04/26 18:15頃、硫黄山の西側500m付近(県道1号線付近)の噴気域でごく小規模な噴火発生、18:26頃まで継続。噴煙が火孔から200m以上に上昇。

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